阿波学会研究紀要


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郷土研究発表会紀要第43号
日和佐町の魚類

淡水魚班(徳島県淡水魚研究会)

 中野晴夫1)・大川健次2)・

 細川昭雄3)・太田茂行4)・

 田中義信5)・金森徳次郎6)・

 吉田光昭7)

1.はじめに
 日和佐町の淡水魚についてはいままでに調査された報告書はない。そこで日和佐町の河川に生息する淡水魚の種類と分布を調べた。また、現在の河川環境も記述することにした。 調査は1996年8月から10月にかけて行った。河川に生息する淡水魚については、投網、タモ網を使用し、採集を行った。また、潜水調査、聞き取り調査も行い、地方名も調べた。淡水魚については日和佐町沿海で捕獲され、日和佐漁業協同組合に水揚げされる魚種を、漁協の職員からの聞き取りにより調べた。

2.淡水魚の調査結果
 日和佐町を流れる日和佐川、北河内谷川、奥潟川について、図1に示すように、調査地点を1 〜10 まで設定し、調査をした。日和佐川は河口付近の汽水域の部分では富栄養化していて、透明度がおちるが、その他の地点では貧腐水性の水質であり、透明度がよい。北河内谷川は河口域付近は富栄養化しているが、中流域や上流域では貧腐水性の水質である。奥潟川は河口域から中流域にかけてとくに富栄養化している。生活排水などのため汚染がかなり進んでいるものと考えられる。また上流域は水量がきわめて少ない。
調査地点1 河口域であり、汽水でもある。河岸には空き缶などが落ちている場所がある。南岸はコンクリート護岸であるが、下に消波ブロックがおいてあり、水深も2m から3m ほどあり、潜水調査を行った。ビリンゴ、ボラ、メジナ、タカノハダイ、シマイサキ、クサフグなどの海水魚が生息していた。クサフグは体長が1cm ほどのものが数百匹の群れをなして泳いでいた。幼魚が育っている大事な場所である。またビリンゴが数十匹ほどの群れをなして生息していた。北岸は浅くなっている。北岸のパチンコ店裏では水深30cm ほどしかないので、投網を使用して調査をした。また潜水調査もした。チチブ、ゴクラクハゼ、アユ、ボラが生息していた。特にチチブの個体数が多く、全体の50%ほどをしめる。またテナガエビが生息していた。
調査地点2 水質は貧腐水性の淡水域である。左岸はコンクリート護岸である。右岸はツルヨシがあり、自然がそのまま残っている場所がある。底質は礫(れき)であり、ケイソウなどの藻類が付着している。アユが多く生息していて、石に付着している藻類をはんでいる。その他ではオイカワ、ウグイ、ゴクラクハゼ、ボウズハゼ、ギンブナ、シマヨシノボリ、シマドジョウ、メダカが生息していた。オイカワの個体数が多く全体の40%をしめている。ボウズハゼが生息しているが個体数は少ない。聞き込み調査によると、大きなボウズハゼは、高知県の四万十川付近に住んでいる人が採りに来ているとのことである。ボウズハゼは熱帯地方に生息する魚である。黒潮本流に乗ってきて、さらに徳島県南東部沿岸を流れる黒潮分岐流にそって、分布を広げてきている魚である。吉野川、那賀川、海部川にも生息している。ニゴイ、シマドジョウの個体数は少ない。
調査地点3 水質は貧腐水質である。礫が大きくなっている所や渕(ふち)がある所がある。オイカワ、カワムツ、アユ、カマツカ、シマドジョウ、スジシマドジョウ、ギンブナ、ボウズハゼ、シマヨシノボリ、メダカが生息していた。アユの個体数が多い。しかし、体長10cm から15cm のものが多くやせているものが多い。スジシマドジョウが1個体確認できた。その他の場所では生息は確認できなかったので、きわめて個体数が少ないと考えられる。シマドジョウは個体数が多い。聞き取り調査によるとウナギも生息しているが個体数が減少していて、きわめて少なくなっている。アユカケも昔は生息していたが、今ではほとんどみられなくなっている。
調査地点4 水質は貧腐水質の場所である。しかし、水深は浅く30cm ほどである。オイカワ、カワムツ、シマヨシノボリ、シマドジョウが生息している。川の少し深い場所にはオイカワが4〜5匹群れをなして泳いでいる。ツルヨシが茂っている場所には、カワムツが生息しているが、個体数は少なく、幼体のものが生息している。
調査地点5 河川の上流域であり、両岸は照葉樹林でおおわれている。水質は貧腐水質である。水深1m ほどの渕になっている所がある。カワムツ、アユ、ウグイ、オイカワ、ギンブナ、シマドジョウが生息している。オイカワ、カワムツの個体数が多い。ウグイ、ギンブナは1個体採集したのみである。
調査地点6 水質は貧腐水質である。川底は礫質である。カワムツ、オイカワ、ゴクラクハゼ、カマツカ、メダカ、シマドジョウが生息している。他の魚種と比較すると、この場所では、カワムツの個体数が占める割合が30%と多い。
調査地点7 水質は貧腐水性で、飲めるほどである。川底は礫質であり、両岸はヤナギなどの樹木が茂っている。カワムツ、オイカワ、シマドジョウを採集する。
調査地点8 川幅は広くなっているが、水質は強腐水質である。大きなゴミなどが沈んでいる所がある。体長25cm ほどのボラが群れをなして泳いでいる。群れの中には体表面が白く皮膚病になっているボラが観察された。こうした現象は水質汚染によると考えられる。原因は生活排水等が考えられる。
調査地点9 水質は強腐水質で生活排水などにより汚染している。ボラ、コイ、ニシキゴイ、ニゴイ、ギンブナ、メダカが生息している。メダカの個体数はかなり多く、群れをみることができる。しかし、その他の魚種では個体数はきわめて少ない。
調査地点10 奥潟川の上流であり、水質は河口域の地点8、9に比べて貧腐水質でよくなっている。アユ、オイカワが生息している。個体数は少ない。オオタニシが生息しているのが観察できた。
*今回の調査と同じころ、ナガレホトケドジョウが北河内谷川の上流支流から初めて徳島県立博物館学芸員佐藤陽一氏によって発見された(1996 私信)。本種は、徳島県では吉野川支流と桑野川支流で生息が確認されていたが、日和佐川支流では初めての発見である。
 調査した結果を表1に示す。

3.日和佐町の淡水魚
 生息が確認されたのは、採集調査したものと聞き込み調査を含めて、24種である(ナガレホトケドジョウも加えた)。また各種の日和佐町での地方名を( )内に示す。
 硬骨魚綱 OSTEICHTHYS
 真口亜綱 TELEOSTOMI
 コイ目 Cyprinida
  コイ科
   コイ Cyprinus carpio
   ギンブナ Carassius langsdorifii(フナ)
   カマツカ Pseudogobio esocinus
   ウグイ Leuciscus hakonensis(イダ)
   ニゴイ Hemibarbss labeo
   オイカワ Zacco platypus(シロバイ)
   カワムツ Zacco temmincki(ヤマトバイ、ドンバイ)
  ドジョウ科
   スジシマドジョウ Cobitis taenia striata
   シマドジョウ Cobitis biwae
   ナガレホトケドジョウ Lefua echigonia
 ナマズ亜目 Silurinida
  ナマズ科
   ナマズ Parasilurus asotus
 スズキ目 Percida
  ハゼ科
   ボウズハゼ Sicyopterus japonics(ドチンコ)
   アユカケ Cottus kazika(チョウカイ)
   チチブ Tridentiger bscurus
   ゴクラクハゼ Rhinogobius giurinus
   ビリンゴ Chalnogobius castaneu
  ボラ科
   ボラ Mugil cephalus
  メジナ科
   メジナ Girella punctata(グレ)
  タカノハダイ科
   タカノハダイ Goniistinus zonatus(タカノハ)
  シマイサキ科
   シマイサキ Therapon oxyrhynchus
 フグ目 Tetraodontida
  マフグ科
   クサフグ Fugu niphobles
 ウナギ目 Anguillida
  ウナギ科
   ウナギ Anguilla japonica
 メダカ目 Cyprinodontida
  メダカ科
   メダカ Oryzias latipes
 サケ目 Saimoniformes
  キュウリウオ科
   アユ Plecoglossus altivelis

4.日和佐町沿岸の海水魚
 日和佐町の海水魚については、日和佐漁業協同組合の冨永正博氏(59歳)から聞き取り調査を行った。現在、日和佐漁協に水揚げされる魚種について、図鑑を見ながら確認をした。また各種の地方名についても聞き取りをし、(  )内に示した。
 日和佐漁協で水揚げされる魚種は次の173種であった。
 軟骨魚綱
 板えら亜綱
 サメ目
  ネコザメ科
   ネコザメ Heterodontus japonicus(ネコ)
  ドチザメ科
   ホシザメ Mustelus manazo(ホシ)
   ドチザメ Triakis scyllia(フカ)
  オナガザメ科
   オナガザメ Alopis pelagicus(オナガ)
  カスザメ科
   カスザメ Squatina japonica(マント)
 ガンギエイ目
  シビレエイ科
   ヤマトシビレエイ Torpedo tokionis(エー)
   シビレエイ Narke japonica(エー)
  サカタザメ科
   サカタザメ Rhino batos schlegeli(サカタ)
   コモンサカタザメ Rhinobatos hynnicephalus
  ガンギエイ科
   ガンギエイ Raja kenojei(エー)
  ウチワザメ科
   ウチワザメ Platyrhina sinensis(エー)
  アカエイ科
   アカエイ Dasyatis akajei(エー)
   ツバクロエイ Gymnura japonica(エー)
  トビエイ科
   マダラトビエイ Aetobatus narinari(トビエイ)
   ウシバナトビエイ Rhinoptera javanica(トビエイ)
 ニシン目
  ウルメイワシ科
   ウルメイワシ Etrumeus teres(ウルメ)
   キビナゴ Spratelloides gracilis
   マイワシ Sardinops melanosticta(大きいものをマイワシ、小さいものをヒラゴイワシ)
   カタクチイワシ Engraulis japonica(カタクチ)
  コノシロ科
   コノシロ Konosirus punctatus
 コイ目
 ナマズ亜目
  ゴンズイ科
   ゴンズイ Plotosus anguillaris(ギギ)
 ウナギ目
  ハモ科
   ハモ Muraenesox cinereus
  アナゴ科
   マアナゴ Conger myriaster
   クロアナゴ Conger japonicus(ドウジ)
   ハナアナゴ Alloconger anagoides(ドウジ)
   ウナギ Anguilla japonica
  ウツボ科
   トラウツボ Muraena pardalis(ウツボ)
   ウツボ Gymnothorax kidako
 ハダカイワシ目
  エソ科
   オキエソ Trachinocephalus myops(イソエソ)
   マエソ Saurida undosquamis
   アカエソ Synodus variegatus
 ダツ目
  ダツ科
   ダツ Belone anastomella
 ドビウオ亜目
  サヨリ科
   サヨリ Hemiramphus sajori
   ナンヨウサヨリ Hemiramphus marginatus
  トビウオ科
   ツクシトビウオ Cypselurus heterurus doderieinii
   ホソトビ Cypselurus opisthopus hiraii
 ヨウジウオ目
 ヘラヤガラ亜目
  ヤガラ科
   アカヤガラ Fistularia petimba
   アオヤガラ Fistularia villosa
 ヨウヂウオ目
 ヨウジウオ亜目
  ヨウジウオ科
   タカクラタツ Hippocampus takakurai(タツノオトシゴ)
   オオウミウマ Hippocampus kuda(タツノオトシゴ)
 スズキ目
 アシロ亜目
  イタチウオ科
   イタチウオ Brothla multibarbata(ナマズ)
 ボラ亜目
  カマス科
   アカカマス Sphyraena pinguis(シャクハチ)
   ヤマトカマス Sphyraena japonica(アオカマス)
   オオメカマス Sphyraena forsteri(カマス)
  ボラ科
   ボラ Mugil cephalus
 キンメダイ目
  マツカサウオ科
   マツカサウオ Monocentris japonicus(マツカサ)
 マトダイ目
  マトダイ科
   マトダイ Zeus japonicus(マト)
   カガミダイ Zenopsis nebulosa(ギンマト)
 スズキ目
  イシダイ科
   イシダイ Oplegnathus fasciatus(ハス)
   イシガキダイ Oplebnathus punctatus(コメカミ)
  ヒメジ科
   ヒメジ Upeneus bensasi(ヒメチ)
   ホウライヒメジ Parupene fraterculus
  アマダイ科
   アカアマダイ Branchiostegus japonicus(アカアマ)
   シロアマダイ Branchiostegus argentatus(シロアマ)
  テンジクダイ科
   ネンブツダイ Apogon semilineatus(アカジャコ)
  ハタンポ科
   キンメモドキ Parapriacanthus ransonneti(アカジャコ)
  マツダイ科
   マツダイ Lobotes surinamensis
  キントキダイ科
   キントキダイ Priacanthus macracanthus(キントキ)
   ゴマヒレキントキ Priacanthus cruentatus(キントキ)
  ムツ科
   ムツ Scombrops boops(モツ)
  ユゴイ科
   ユゴイ Kuhlia marginata(フナゴ)
   トゲナガユゴイ Kuhlia boninensis(フナゴ)
   オオクチユゴイ Kuhlia rupestris(フナゴ)
  スズキ科
   スズキ Lateolabrax japonicus
   ヒラスズキ Lateolabrax latus(スズキ)
   マダラハタ Epinephelus fuscoguttatus
   ホウキハタ Epinephelus morrhua cometae
   クエ Epinephelus moara
   ルリハタ Aulacocephalus temmincki
  ニベ科
   ニベ Nibea mitsukurii
   イシモチ Argyrosomus argentatus(グチ)
  キス科
   キス Sillago sihama
  メジナ科
   メジナ Girella punctata(グレ)
  イスズミ科
   イスズミ Kyphosus lembus(キツ)
  クロサギ科
   クロサギ Gerres oyena(アゲトナシ)
  イトヨリダイ科
   イトヨリダイ Nemipterus virgatus(イトヨリ)
   ソコイトヨリ Nemipterus bathybius(オバイトヨリ)
   タマガシラ Scolopsis inermis
  タイ科
   クロダイ Acanthopagrus schlegelii(チヌ)
   チダイ Evynnis japonica
   キダイ Dentex tumifron(レンコ)
   マダイ Pagrus major(タイ)
   キチヌ Acanthopagrus latus(キビレ)
   ヘダイ Sparus sarba(カイズ)
  フエフキダイ科
   シモフリフエフキ Lethrinus lentijan
  イサキ科
   コショウダイ Plectorhynchus cinctus(コショウ)
   イサキ Parapristipoma trilineatum
   ヒゲダイ Hapalogenys nigripinnis(タヌキ)
   コロダイ Plectorhynchus pictus(コロ)
   シマイサキ Therapon oxyrhynchus(スミヤキ)
  シマイサキ科
   コトヒキ Therapon jarbua(イセコ)
  タカノハダイ科
   タカノハダイ Goniistinus zonatus(タカノハ)
   ミギマキ Goniistinus zebra(ヒダリマキ)
  イボダイ科
   イボダイ Psenopsis anomala(ボウズ)
  タカベ科
   タカベ Labraconglossa argentiventris(ピンチ)
   マナガツオ Pampus argenteus
 アジ亜目
  アジ科
   マルアジ Decapterus maruadsi(アオアジ)
   ムロアジ Decapterus muroadsi(アオムロ)
   マアジ Trachurus japonicus(ヒラアジ)
   メアザ Trachurops crumenophthalmus(トッパクアジ、カメアジ)
   カイワリ Kaiwarinus equula(メッキアジ)
   シマアジ Longirostrum delicatissimus
   オキアジ Uraspis helvolus(ダイコクメッキ)
   ギンガメアジ Caranx sexfasciatus(エバ)
   イトヒキアジ Alectis cilialis(ノボリタテ)
   ブリ Seriola quinqueradiata(小さいものからツバス、ハマチ、メジロ、ブリと大きくなるにつれ名前が変わるので出世魚という)
   ヒラマサ Seriola aureovittata
   カンパチ Seriola purpurascens(大きいのをシオ、小さいのをワカナ)
   ツムブリ Elagatis bipinnulata(トリカジ、トリカジマアシ)
   オキヒイラギ Leiognathus rivulata(ニノギ)
   シイラ Coryphaena hippurus(トウヒャク、クマ、ウマ)
 サバ亜目
  サバ科
   クロマグロ Thunnus thynnus(ヨコ、ヨコク)
   ビンナガ Thunnus alalunga(トンボ)
   メバチ Thunnus obesus(小さいのをダルマ)
   キハダ Thunnus albacares(小さいのをキメジ、さらに小さいのをビンまたはビンヨコ)
   ハガツオ Sarda orientalis(キツネ)
   スマ Euthynnus affinis yaito(モンズマ)
   カツオ Katsuwonus pelamis
   ヒラソウダ Auxis thazard(スマ)
   マルソウダ Aurix tapeinocephalus(メジカ)
   マサバ Scomber japonicus(サバ)
   ゴマサバ Scomber tapaeinosephalus
   サワラ Scombermorus niphonius
   カマスサワラ Acanthocybium solandri
  タチウオ科
   タチウオ trichiurus lepturus
  ミシマオコゼ科
   メガネウオ Uranoscopus bicinctus(ムシマ)
  ベラ科
   イラ Choerodon azurio(テス)
   テンス Iniistius dea(テス)
   クロリボンスズメダイ Pomacemtrus sp(オセン)
 ベラ亜目
  ブダイ科
   ブダイ Leptoscarus japonicas(ゴンタ、またはエガミ)
   ヒブダイ Scarus ghobban(バンドウ)
   ツバメウオ Platax pinnatus
   チョウチョウウオ Chaetodon collare
   ニザダイ Prionurus microlepidotus(サンキチ、サンノジ)
   テングハギ Naso unicornis
   テングハギモドキ Naso hexacanthus
   スジクロハギ Acanthurus leucopareius
 アイゴ亜目
  アイゴ科
   アイゴ Siganus fuscescens(アイ、アイノバ、小さいのをアイゴ、300g 以上をアイと言う)
  モンガラカワハギ科
   モンガラカワハギ Balistes vidua
   カワハギ Stephanolepis cirrhifer(マルハギ、ハゲ)
   ウマズラハギ Navodon modestus(ウマズラ、ヨソゲ)
   オキハギ Abalistes stellaris(ウマズラ)
 フグ目
 フグ亜目
  マフグ科
   ハコフグ Ostracion tuberculatus
   サバフグ Lagocephalus lunaris spadiceus(ギンブク、アオシマ)
   キタマクラ Canthigaster rivulata
   トラフグ Fugu rubripes(テッポウ)
   シマフグ Fugu xanthopterum(ナゴヤ)
   シオサイフグ Fugu vermiculare(シオサイ)
   アカメフグ Fugu chrysops(メアカ)
   ハリセンボン Diodon holacanthus
 マンボウ亜目
  マンボウ科
   マンボウ Mola mola
 カジカ目
 カジカ亜目
  アサゴ科
   カサゴ Sebastiscus marmoratus(ガシラ、カガネ)
   アヤメカサゴ Sebastiscus albofasciatus(オキガシラ、オキガガネ)
   メバル Sebastes inermis(メマル)
   オニカサゴ Scorpaenopsis cirrhosa(オニオコゼ)
   ミノカサゴ Pteros lunulata(ミコウオ)
  オニオコゼ科
   オニダルマオコゼ Synaceia verrucosa(アマオコゼ)
  ハオコゼ科
   ハオコゼ Hypodites rubripinnis(オコゼ)
  コチ科
   ワニゴチ Lnegocia guttata(オニゴチ)
   コチ Platycephalus indicus(シロゴチ)
  ホウボウ科
   ホウボウ Chelidonichthys spinosus
   カナド Lepidotrigla guntheri
  セミホウボウ科
   セミホウボウ Dactyloptena orientalis(イソトビ)
 カレイ目
  ヒラメ科
   ヒラメ Palalichthys olivacius
  カレイ科(メイタガレイ以外のカレイ類をガンという)
   メイタガレイ Pleuronichthys cornutus
   イシガレイ Kareius bicoloratus
   クロウシノシタ Paraplagusia japonica(クロ)
   アカシタビラメ Cynoglossus joyneri(アカ)
 アンコウ目
  アンコウ科
   アンコウ Lophiomus setigerus
  イザリウオ科
   イザリウオ Phrynelox tridens
   ハナオコゼ Histrio histrio
 コバンザメ目
  コバンザメ科
   コバンザメ Echeneis naucrates

5.まとめ
 日和佐町に生息する淡水魚は24種類を確認した。しかし、このうちアユカケについては聞き取り調査で確認しただけである。1960年代と違って、現在はほとんど見かけられないとのことであった。メダカが多く生息しているのは貴重である。徳島市内の小河川ではカの撲滅のためにタップミノーを放流したためにメダカが激減している。タップミノーはカを食べるので、カダヤシとも言われる。メダカによく似ているが卵胎生のために汚染にも強く繁殖力がよい。そのためにメダカを徳島市内や郊外ではほとんど見ることができなくなってきている。日和佐町のメダカは大事に保存していきたいものである。今回の調査によるものではないが、佐藤陽一氏によってナガレホトケドジョウが日和佐町に生息していることが、初めて確認された。ボウズハゼは熱帯の国に生息する魚であるが、黒潮分岐流により、分布を広げてきている魚である。徳島県では県南部の河川から吉野川にまで生息している。スジシマドジョウやシマドジョウが生息できているのは汚染されていないからである。地元の同好者が日和佐川愛護会を結成し、河川の自然を保護し、河川のアユ取りを楽しんでいる。日和佐川河口域はクサフグなどの稚魚が育っている大事な場所である。これ以上の汚染が進まないようにしなければならない。

1)徳島県立富岡西高等学校 2)徳島県教育研修センター 3)徳島県立川島高等学校
4)東亜合成化学工業株式会社 5)四国化成工業株式会社 6)徳島県立農業高校
7)徳島県立板野高等学校


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