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阿波学会研究紀要 |
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| 郷土研究発表会紀要第42号 | |
| 北島町の読書調査 |
読書調査班(徳島県立図書館) 水上英俊1)・岸本真弓1)・ 宇山博子1)・安藤美穂1)・ 久保貴栄1)・田村加代1) |
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1.はじめに 2.調査の目的と方法 3.北島町立図書館 4.読書と図書館に関するアンケート
各問ごとに回答の集計を図に示し、分析は、最終設問の後にまとめて記述した。ただし、表中の数は回答数であるため、その総数は必ずしも総回答者数とは一致しない。
問2.あなたは、1カ月間に平均何冊の本を読みますか(雑誌・漫画は除く)
問3.あなたは、1カ月間に平均何冊雑誌を読みますか
問4.あなたは、どんな目的で本や雑誌を読みますか
問5.あなたは、読みたい本や雑誌をどこで手にいれますか
問6.あなたは、この1年間に町立図書館を利用したことがありますか
問7.(問6で「ある」と答えた人に)図書館を利用したのはどんな理由からですか(主なもの3つまで○を)
問8.(問6で「ない」と答えた人に)どのような理由で、町立図書館を利用しないのですか
問9.あなたは、北島町立図書館以外の読書を利用していますか
問10.公共図書館を利用する、利用しないにかかわらず、それが存在していること自体、あなたにとって価値がありますか
問11.北島町立図書館に対する要望
分析:町内在住年数は、11年〜26年と長く住んでいる人が多いが、近年、北島町では徳島市のベッドタウン化が進んでいるためか、1〜5年や5〜10年の人も多い(図3)。読書状況については、本を月に1〜2冊、雑誌を2〜3冊読むのが平均になっている(図4、5)。読書目的では、本や雑誌を、楽しみや趣味ととらえている人が多いのがわかる(図6)。ところで、本や雑誌の入手方法であるが、「書店から」が第1位になっている。注目したいのは、第2位に「町立図書館から」があがっていることである(図7)。次にこの1年間に町立図書館を利用した回数を尋ねてみた。全回答者の70%は利用したことがあり、そのうちの約5割の人は月に1回のペースで図書館を利用している(図8)。図書館を利用するいちばん多い理由は、「本を借りるため」であり、至極当たり前だが、実は図書館がうまく機能していることのあらわれかもしれない(図9)。逆に、町立図書館を一度も利用したことのない人々の図書館を利用しないいちばん大きな理由は、「開館時間に利用できないから」であった(図10)。北島町立図書館以外の読書施設は、利用してない人が圧倒的に多く、県立図書館や近隣の町立図書館は利用が少ない(図11)。町民の北島町立図書館への依存度が高いといえるかもしれない。公共図書館の存在価値については、「多少価値がある」を含めて、94%の人が価値を認めている(図12)。 2)児童・生徒へのアンケート
各問ごとに各学年別の回答の集計を表と図に示し、分析は、最終設問の後にまとめて記述した。なお、表中の数は回答数であるため、その総数は必ずしも総回答者数とは一致しない。
問2.あなたは、7月1カ月間に雑誌を何冊読みましたか
問3.あなたは、7月1カ月間にマンガを何冊読みましたか
問4.あなたは、7月1カ月間の間に、カセット・CD・ビデオなどをいくつ使いましたか
問5.あなたは、本や雑誌をどのようにして手に入れますか(複数回答)
問6.7月1カ月間に、学校の図書室に行きましたか
問7.何のために学校の図書室に行きましたか(複数回答)
問8.7月1カ月間に北島町立図書館に行きましたか
問9.図書館に行った人だけにお聞きします。図書館には何のために行きましたか(複数回答)
問10.次のことがらについて、あてはまることがあれば○をつけて下さい
分析:本を読む冊数は、小学校3年生と5年生は、2冊から5冊が多いが、中学2年生は、1冊も読んでいない生徒が圧倒的に多い(図14)。雑誌・CD・ビデオの場合は、各学年においてさほど冊数の差はでていない(図15、16、17)。ところが、入手方法になると小学生と中学生では若干異なってくる。本や雑誌の入手方法は、どの学年も「書店で買う」がいちばん多いが、小学校3年生では、これとほぼ同率で「町立図書館で借りる」、ついで、「学校の図書館で借りる」となっている。これに比べて、中学2年生になると、95%の生徒が「書店で買う」と答え、大人の傾向にほぼ近くなる(図18)。学校図書室の利用については、小学3年生と5年生では月に一度も利用しない児童の率が5%程だが、中学2年生になると実に7割近い生徒が利用しなくなる(図19)。利用する理由も、小学生は授業以外でも本を借りたり調べものをするために使っているが、中学2年生になると、多くは授業での利用である(図20)。町立図書館の利用については、5回以上行った児童が小学3年生では26%、小学5年生で16%。小学3年生は平均して月3回、5年生は2回利用している。中学2年生では、月1.5回。更に中学2年生の2人に1人は、学校図書室と同様、町立図書館も月に1度も利用していない(図21)。町立図書館の利用の仕方は、どの学年も「本や雑誌を借りたり、返したりするため」が筆頭となっているが、いろんな利用の仕方を万遍なくしているようすがうかがえる(図22)。しかし、中学生のそれぞれの利用の仕方の比率は大きく落ち込んでいる。読書環境に関する質問については、家に本があり、よく読んでもらったという回答が多く、かなり読書に恵まれた環境があらわれている小学5年生では、7割近くが「家に本がたくさんあり、小さいころ家族の人によく本を読んでもらった」と答えているのが、中学生になると3割から4割に下がる(図23)。ここでの回答の差異は、年代が高くなるにつれて生じる親離れに起因していると思われる。 5.座談会 1)徳島県立図書館 | |
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