|
阿波学会研究紀要 |
| このページでは、阿波学会研究紀要論文をご覧いただけます。 なお、電子化にともない、原文の表記の一部を変更しています。 |
| 郷土研究発表会紀要第42号 | |
| 北島町の高等菌類 |
植物同好会班(徳島県植物同好会) 高石喜久1)・大橋育順2)・大橋孝3) |
|
本報告は、1995年7月28日〜10月14日に、北島町で発生した高等菌類の調査結果をまとめたものである。本町は山林に乏しく、キノコの発生環境に恵まれていない上、今夏は極端な高温・乾燥にみまわれたことで、調査期間には例年の調査の
1/4
程度の種しか採集、記載することができなかった。 I Ascomycotina 子のう菌亜門
Ganodermataceae マンネンタケ科
7 Elfvingia applanata (Pers.) Karst コフキサルノコシカケ(写真3)
Hymenochaetaceae タバコウロコタケ科
Agaricaceae ハラタケ科
13 Leucocoprinus fragilissimus
(Rav.) Pat. キツネノハナガサ
16 A. vaginata (Bull.:Fr.) Vitt. var.
vaginata ツルタケ
Boletaceae イグチ科
20 Xerocomus subtomentosus (L.:Fr.)
Qu■l. アワタケ
23 Bovista plumbea Pers. シバフダンゴタケ 本調査によって、子のう菌類1目1科1属1種、担子菌類3目10科19属22種の分布を確認した。今年の異常な気象条件下で大形腐生菌の発生はほとんど見られなかったが、本町にも熱帯〜亜熱帯性の毒菌・オオシロカラカサタケ(写真5)が分布することがわかった。この種は食菌・カラカサタケに類似することもあって、しばしば誤食される。徳島県においても、1977年に美馬郡で、昨年(1994)の8月に、海部郡内でこの種による中毒事件が起きた。小指大を生食すると、血を伴った嘔(おう)吐・下痢・腹痛・発熱の症状を訴える。オハイオ医科大学のレーマン教授の私信によれば、さらにアレルギー症状が見られるとも記されていた。(1991年4月、2名の患者が同病院へ入院治療を受けた) 1)徳島大学薬学部 2)徳島県立小松島高等学校 3)徳島県立富岡西高等学校 | |
| 徳島県立図書館 |