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徳島県那賀郡上那賀町のザトウムシについて調査した。本町は林業のさかんな町である。
山林はほとんど植林されて杉や桧の美林が多く、自然林はほとんど残っていない。ザトウムシは暗湿地を好む動物であり、皆伐をうけた山地では生き残り難い。したがって上那賀町では全体に生息種類も個体数も極端に少なく、霧越峠など南部の山地でも高地性のザトウムシは皆無であるなど、川俣谷山の大木屋神社社叢でマザトウムシ科の５種をみたほかは、貧しい内容であった。特記すべきものはないが、1988年の記録として、２科７種を報告しておく。
有鉤亜目 Laniatores
アカザトウムシ科 Phalangodidae
１．Pseudobiantes japonicus Hirst, 1911. ニホンアカザトウムシ
‘88.７.29. 菖蒲谷東尾，‘88.７.29. 菖蒲谷桧曽根，‘88.７.30. 海川谷
２．Epedanellus tuberculatus Roewer, 1911. オオアカザトウムシ
‘88.７.30. 海川谷,
有鬚亜目 Palpatores
マザトウムシ科 Phalangiidae
３．Leiobunum japonense japonicum（Suzuki, 1940）オオヒラタザトウムシ
‘88.７.31. 川俣谷山
４．Leiobunum japonicum japonicum M■ller, 1914 モエギザトウムシ
‘88.７.31. 川俣谷山，‘88.８.１. 平谷
５．Leiobunum montanum montanum Suzuki, 1953 ヤマスベザトウムシ
‘88.７.31. 川俣谷山，
６．Nelima nigricoxa nigricoxa Sato&Suzuki, 1939 ナミザトウムシの一種
‘88.７.31. 川俣谷山，
７．Gagrellula sp. アカサビザトウムシの一種
‘88.７.29. 菖蒲谷東尾，‘88.７.31. 川俣谷山 |