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1 はじめに 日本野鳥の会・徳島県支部は鳥類班として総合学術調査に参加し、鷲敷町に生息する野生鳥類(野鳥)の分布・生息密度・繁殖状況などを解明することを目的として調査を行った。野鳥は季節により、同じ場所でもその種類や個体数に違いがあるので、7月27日〜8月3日の調査期間以外に、2月・5月・6月・11月にも調査を行った。 鷲敷町は最高点が竜王山の732mであり、その潜在自然植生は、全域が暖温帯・常緑広葉樹林域に含まれる。しかし現在、自然林は二次的なものを含めても殆んど残っておらず、大部分をスギ・ヒノキなどの植林で占めている。同町の全林野面積中に占める人工林の割合は、実に85%にもなっている。 このことが、野鳥の生息状況に深刻な悪影響を及ぼしていることが、今回の調査の結果明らかになった。たとえば、よく茂った広葉樹の森林に生息するアオバトは、同町では冬期にわずかに観察されたのみで、繁殖期にはまったく観察されなかった。また、常緑広葉樹の森林に多く生息するメジロの個体数が、かなり少ないという印象を受けた。
2 調査地区と調査方法 国土地理院発行の地形図を用いて、図1のように鷲敷町を区分し、その中から、1
大竜寺山(森林)、2 南川地区(青少年の森)、3 竜王山(森林)、4 田野地区の西方(那賀川流域)、5
和食〜北地地区(農耕地帯)の5か所を選び出し、その地区内に全長1kmのコースを設定して、ライン・センサス法による調査を行った。

ライン・センサス法とは、調査コースを時速2kmで歩行し調査者から半径25m以内で観察された鳥の種類と個体数をすべて記録していくものである。これにより、その地区における野鳥の生息密度と優占種のおおよそがわかる。それ以外で観察された種類については、その地域の鳥類相の概略をつかむ上で必要と思われるものについて適宜記録していった。上記の5か所以外の地域でも必要に応じて調査を行った。 3 調査結果 ライン・センサス法により得られた、各調査地区別の野鳥の生息密度(1haあたりの生息数)を、図2に、また各地区別の野鳥の出現割合を図3〜図5と図8・図9に示した。

これらの図を適宜参照しながら、地区別に調査結果の考察を行ってみたい。特に、山地の森林地帯である、1
大竜寺山、2 南川の青少年の森、3
竜王山、については、互いに比較しながら考えてみる。
(1)大竜寺山
(2)南川の青少年の森
(3)竜王山
a)自然環境 3か所とも大部分がスギ人工林である。 b)ライン・センサス法による調査の標高 大竜寺山……110〜430m 青少年の森……100〜300m 竜王山……70〜660m c)生息鳥類(当地で繁殖するもの)



・森林性の留鳥……エナガ・ヤマガラ・シジュウカラ・メジロ・カケス・コゲラ・アオゲラ・ヤマドリのほか、竜王山と大竜寺山では、ヒガラ(標高450m以上)、ミソサザイが生息する。

・森林性の夏鳥……ヤブサメ・サンショウクイ・オオルリ・ホトトギス・サシバのほか、センダイムシクイが竜王山と大竜寺山で、ツツドリが竜王山に生息する。
・非森林性……ヒヨドリ・ホオジロ・ウグイス・キジバト・ハシブトガラス・カワラヒワなどが留鳥として生息する。 (d)共通点 3か所とも、スギなどの人工林内には野鳥は殆んど全くといってもよいほど観察されなかった。多く出現するのは、広葉樹を主とする自然林内か、あるいは広けた明るい林縁部においてである。これは、人工林が針葉樹の単一樹種のみから成り立っていて、自然の生態系のバランスが崩れており、野鳥の食物となる小動物や、営巣場所である天然の樹洞を含む枯木や古木がほとんど存在しないためである。 特に、メジロの数が少ないのが印象に残った。本種は、シイ・カシ類などを主とする暖温帯・常緑広葉樹林に最も適応して生息する。本県では、およそ標高1000m以下の森林がこれに当たり、鷲敷町ではすべての地域がこれに含まれている。しかし、森林の人工植林率が85%もの高率に達し、残存する常緑広葉樹の自然林が極めて少ない本町では、メジロは少なくなっている。 また、コゲラ・アオゲラのキツツキ類も少ない。キツツキ類は、枯木・古木中に潜むカミキリムシなどの幼虫を捕食し、またこれらの木に嘴で穴を掘って営巣場所とする。したがって残存する自然林が極めて少ない鷲敷町では、キツツキ類も少ないのである。特に、およそハト大の中型キツツキであり、したがって小型のコゲラに比べて1羽当たりの生息面積が広く、また大木の枯木に営巣するアオゲラは非常に少なかった。 さらに、アオバトはまったく観察されなかった。本種は、よく茂った広葉樹の自然林を好むため、森林の人工林化率が高くなり過ぎているこれらの地域では、もはや生息繁殖できないのであろうか。 e)相違点
まず、ライン・センサス法により得られた結果の中から、キツツキ類(アオゲラ・コゲラ〉とシジュウカラ類(ヒガラ・ヤマガラ・シジュウカラ)に着目し、それらの出現総個体数を場所別に分けて比較してみる。(図6)

これらの種類はいずれも、カミキリムシ・蛾類の幼虫を捕食し、天然の樹洞に営巣する。これらの野鳥の数が多いほど、自然の生態系のバランスが良好に保たれた自然林がより多く残存していることになる。結果は、大竜寺山で最も多く、青少年の森で最も少なかった。
次に、ライン・センサス法により得られた野鳥の種類を、森林性と、非森林性のものとに分け、それらの総個体数の割合を場所別に分けて比較してみる。(図7)

森林性の野鳥の比率が高いほど、本来の森林としての機能をより多く果たしていることになる。結果は、竜王山では66%で、3分の2を森林性の野鳥で占めているのに対して、青少年の森ではわずか40%であった。 以上の結果を考察してみると、次のことが考えられる。 1 大竜寺山は、3か所中最も野鳥の密度が高いが、これは森林性の野鳥に加えて、非森林性の野鳥の比率もかなり高いためで、それだけ、草地・疎林などの非森林的な林縁的要素も強いものと考えられる。 2 青少年の森は、樹洞営巣の野鳥の数も、森林性の野鳥の比率も最低であり、「森」とは名付けられているものの、本来の森林の機能はほとんど果たしていない。森林性の野鳥の生息環境は最悪であると言わざるを得ない。 3 竜王山は、森林性の野鳥の比率は高いが、樹洞営巣の野鳥の数は少ない。これは竜王山を覆っている森林のほとんどが人工植林で、残存する自然林が非常に少ないためである。 (4)田野地区の西方 a)自然環境 那賀川流域と、それに接する、落葉・常緑広葉樹にアカマツが混じる二次的な自然林 b)調査地の標高 60m c)調査結果と考察 ここは調査コースを道路沿いに設定したため、林縁的要素が強く表われ、また那賀川沿いでもあるので、ライン・センサス法により得られた結果には、隣接する林に生息する野鳥は多く現われていない。この点に留意する必要がある。
 調査コース内では、ホオジロとウグイスが優占している。これは道路沿いには疎林やヤブ状地が多く、林縁的要素が強いためである。 那賀川流域には、カワセミ・キセキレイ・セグロセキレイが留鳥として生息する。 隣接する林では、5月の調査でアオゲラカゴ記録された。本種は一般に標局100m以下のような低い所には生息しないのであるが、それが当地にも生息するということは、それだけ広葉樹を含む自然林が多いということを示すもので貴重な生息地である。さらに、2月の調査ではアオバトが記録された。本種はよく茂った広葉樹の自然林を好む鳥であるが、それが非繁殖期とはいえ、当地に生息することは非常に貴重である。大竜寺山・青少年の森・竜王山では、繁殖期はおろか、非繁殖期でさえも全く生息が確認されなかったからである。 (5)和食〜北地 a)自然環境 人里の農耕・集落地と山麓部 b)調査地の標高・50〜60m c)調査結果と考察 この地域では、いわゆる人里にすむ野鳥が多く、そのほとんどが人為の影響を強く受けた環境にもすむことのできる種類である。ドバト・スズメ・キジバト・カワラヒワ・ムクドリなどがこれに当たる。
 特に、冬期に生息密度が高くなっているが(図2参照)、これはドバトが非常に多いためである。ドバトは、中央〜西アジア原産のカワラバトのことで、国内では、飼育されていたものが逃げ出して野生化している。環境の変化に対する適応力が非常に強く、橋の下や、コンクリート建物のすきまなどに営巣し、人為の影響の強い農耕・村落・都市部では次第に数が増えつつある。農作物に被害を与えるのは、ほとんどがこのドバトであるが、この鳥は、人間による自然の改変が進めば進むほど、その生息適地が増え、ますます増殖するという皮肉な存在である。 しかし護岸工場されていない自然状態に近い河川では、カワセミが留鳥として生息し、キアシシギ・ササゴイも記録された。 (6)その他 1 アオバズク
 和食地区の蛭子神社で、アオバズクの生息繁殖が確認された。本種は、およそハト大の小型のフクロウで、夏鳥として神社や山麓部の大木・古木やそれらの枯木が多いよく茂った林に渡来し、樹洞に営巣する。夜間活動し、主に昆虫類を捕食する。しかし現在は、各地で開発によりその生息地が失われつつあるので、蛭子神社における生息は貴重である。 2 カイツブリ
 鷲敷町内で比較的大きな4つの溜池を調査したところ、仁宇の溜池で、カイツブリの生息繁殖を確認した。山合いの溜池での生息は珍しく、貴重な生息地である。コンクリート護岸でなく、自然な岸辺であるので生息繁殖が可能なのである。
4 まとめ 野鳥は、その地域の自然環境の良し悪しを示すバロメーターである。ある特定の自然環境を好むものと、逆に、環境に対する適応力の強いものとがあり、もともとあった自然が人間の手により改変されると、前者はしだいに姿を消し、代わって後者の数が増えてくる。また多くの野鳥は、大量の昆虫類を捕食し、生態系のバランスを良好に保って、特定の害虫の大発生を未然に防いでいるので、人間にとっても非常に重要な存在である。 この観点から鷲敷町の自然環境をみてみると、およそ次のことが考えられる。 1 人工植林率が85%もの高率に達し、残存する自然林が極めて少ない山地の森林では、生態系が非常に貧弱・単純である。アオゲラが非常に少なく、アオバトは繁殖期にはその生息が認められず、さらに森林性の野鳥の中でも、夏鳥の種類・数が少なかった。自然の生態系のバランスが完全に崩れていると言わざるを得ない。このような状態は、将来の林業の健全な発展のためには、むしろマイナスではないだろうか。 2 平地の農耕地帯でも、環境に対する適応力の強い野鳥が多く、自然環境が単純である。アシ原・沼沢地などの低湿地帯はほとんどなく、それさえも河川改修・護岸工事などによって姿を消しつつある。今回の調査で、低湿地帯に生息するシギ類などの野鳥の種類が非常に少なかったのも、このことをよく示している。
 
 
5 鷲敷町野鳥目録 1982年2月〜11月の調査で記録された種類は、77種類であった。以下にその種名と主な記録地を掲げる。なお、記録地については、普通種では原則として繁殖確認記録を優先した。
カイツブリ目 Order
PODICIPEDIFORMES カイツブリ科 Family PODICIPITIDAE 1.カイツブリ Podiceps
rufioollis 1982.7.27 仁宇の溜池(標高90m)幼鳥4・成鳥2 給餌する
コウノトリ目 Order
CICONIIFORMES サギ科 Family ARDEIDAE 2.ゴイサギ Nycticorax
nycticorax 夜行性。河川の岸辺・水田等でカエル・魚などを捕食する。 3.ササゴイ Butorides
striatus 習性はゴイサギに似るが、少ない。 1982.6.6 和食郷中山川(標高45m)1 岸辺で 4.アマサギ Bubulcus
ibis 主に畑・草地で昆虫・クモ類を捕食する。 1982.5.5 北地(標高50m)19 レンゲ畑で 1982.7.27 小仁宇(標高60m)5 水田で 5.コサギ Egretta
garzetta 河川・水田等で小動物を捕食する。
ガンカモ目 Order
ANSERIFORMES ガンカモ科 Family ANATIDAE 6.オシドリ Aix
galericulata 観察例は次の1例のみ 1982.8.1 土佐町那賀川(標高50m)1 7.コガモ Anascrecca 冬鳥として河川等に渡来する 1982.2.11 和食 36(上空飛翔)
ワシタカ目 Order
FALCONIFORMES ワシタカ科 Family ACCIPITRIDAE 8.ミサゴ Pandion
haliaetus 1982.2.11 土佐町那賀川 1(上空飛翔) 1982.5.5 和食那賀川 1(上空飛翔) 9.トビ Milvus
migrans 留鳥。河川や村落・農耕地の周辺に生息し付近の林で営巣・繁殖する。 10.ツミ Accipiter
gularis 観察例は次の2例のみ。 1982.2.11 南川 ♂1・♀1 疎林で 1982.8.1 大竜寺山(標高400m)1 11.サシバ Butastur
indicus 夏鳥として渡来し、低山の林に生息する。 1982.6.6 竜王山(標高250m)2 12.クマタカ Spizaetus
nipalensis 1982.7.27 南川 1 ヘビをつかんで飛ぶ。 1982.11.23 南川 1 の枯木にとまる。
キジ目 Order
GALLIFORMES キジ科 Family PHASIANIDAE 13.コジュケイ Bambusicola
thoracica 留鳥。低山や山麓部に生息する。 14.ヤマドリ Phasianus
soemmerringii 留鳥。山地の林に生息するが、少ない。 15.キジ Phasianus
colchicus 留鳥。農耕地周辺や林縁部に生息する。
チドリ目 Order
CHARADRIIFORMES チドリ科 Family CHARADRIIDAE 16.コチドリ Charadrius
dubius 大きな河川の砂レキ地に生息する。 1982.5.5 和食那賀川(標高45m)2 17.イカルチドリ Charadrius
placidus 大きな河川の砂レキ地に生息する。 1982.8.1 北地 8 シギ科 Family
SCOLOPACIDAE 18.キアシシギ Tringa
brevipes 旅鳥として河川の岸辺の湿地に渡来するが、少ない。 1982.5.5 和食郷中山川(標高45m)1 岸辺で 19.イソシギ Tringa
hypoleucos 主に河原に生息する。 1982.2.8 阿井那賀川(標高50m)1 1982.5.5 田野那賀川(標高45m)1
ハト目 Order
COLUMBIFORMES ハト科 Family COLUMBIDAE 20.キジバト Streptopelia
orientalis 留鳥。平地から山地に普通に生息する。 21.アオバト Sphenurus
sieboldii よく茂った広葉樹の自然林に生息するが、鷲敷町では非常に少なく、繁殖期の記録はなかった。 1982.2.11 田野の西方の二次的な自然林(標高70m)♀1
ホトトギス目 Order
CUCULIFORMES ホトトギス科 Family CUCULIDAE 22.ツツドリ Cuculus
saturatus 夏鳥として山地の林に渡来し、センダイムシクイなどに托卵するといわれる。渡り途中のものを除くと、竜王山以外では記録されなかった。 1982.6.6 竜王山(標高300m)1(さえずり) 23.ホトトギス Cuculus
poliocephalus 夏鳥として山地の林に渡来し、おもにウグイスに托卵するといわれる。 1982.6.6 竜王山(標高450m)1(さえずり)
フクロウ目 Order
STRIGIFORMES フクロウ科 Family STRIGIDAE 24.アオバズク Ninox
sutulata 1982.7.27 和食蛭子神社(標高50m)幼鳥3・成鳥2
アマツバメ目 Order
APODIFORMES アマツバメ科 Family APODIDAE 25.アマツバメ Apus
pacificus 1982.5.5 北地3(上空飛翔)
ブッポウソウ目 Order
CORACIIFORMES カワセミ科 Family ALCEDINIDAE 26.ヤマセミ Ceryle
lugubris 少ない。南川の土の岸に古巣を発見。 1982.2.8 土佐町(標高60m)♂1 那賀川に架かる電線にとまる。 27.カワセミ Alcedo
atthis 留鳥。河川等に生息し、コンクリート護岸のない土の岸に営巣する。
キツツキ目 Order
PICIFORMES キツツキ科 Family PICIDAE 28.アオゲラ Picus
awokera 留鳥。山地の自然林に生息し、モミなどの大木の枯木に営巣するが、少ない。 1982.5.5 田野の西方の二次的な自然林(標高100m)1 1982.6.6 大竜寺山(標高500m) 1巣・成鳥2 29.コゲラ Dendrocopos
kizuki 留鳥。広葉樹の多い自然林に生息する。 1982.6.6 大竜寺山(標高400m) 幼鳥2・成鳥2
スズメ目 Order
PASSE RIFORMES ヒバリ科 Family ALAUDIDAE 30.ヒバリ Alauda
arvensis 留鳥。平地の草地・農耕地、河原に生息する。 ツバメ科 Family
HIRUNDINIDAE 31.ツバメ Hirundo
rustica 1982.6.6 学原(標高60m) 幼鳥2・成鳥2 給餌する。 32.コシアカツバメ Hirundo
daurica 1982.6.6 和食(標高50m)2 コンクリート家屋に造巣中 33.イワツバメ Delichon
urbica 鷲敷町では周年見られるが、同町内に営巣地があるかどうかは不明。 1982.2.8 学原 23(上空を飛翔) セキレイ科 Family
MOTACILLIDAE 34.キセキレイ Motacilla
cinerea 留鳥。河原・湖沼と、その周辺の村落に生息する。 35.ハクセキレイ Motacilla
alba 冬鳥。平地の河原・草地・農耕地に渡来する。 36.セグロセキレイ Motacilla
grandis 留鳥。河原やその周辺の村落に生息する。 37.タヒバリ Anthus
spinoletta 冬鳥として渡来し、平地の農耕地・草地・湿地に生息する。 1982.2.11 北地(標高50m)
1 サンショウクイ科 Family CAMPEPHAGIDAE 38.サンショウクイ Pericrocotus
divaricatus 夏鳥として広葉樹の多い林に渡来する。 1982.6.6 南川(標高150m)1 鱗翅目幼虫をくわえて茂みへ入る。 ヒヨドリ科 Family
PYCNONOTIDAE 39.ヒヨドリ Hypsipetes
amaurotis 留鳥。明るい林に生息する。 モズ科 Family LANIIDAE 40.モズ Lanius
bucephalus 留鳥。林縁部に生息する。 カワガラス科 Family
CINCLIDAE 41.カワガラス Cinclus
pallasii 渓流に生息するが、少ない。非繁殖期には広けた河川にも現われる。 1982.2.11 竜王山(標高170m) 2 渓流で巣材(コケ)を集める。 ミソサザイ科 Family
TROGLODYTIDAE 42.ミソサザイ Troglodytes
troglodytes 留鳥。山地の渓流沿いの林に生息する。 1982.6.6 竜王山(標高170m) 2 コケを用いて造巣中 ヒタキ科 Family
MUSCICAPIDAE 43.コルリ Erithacus
cyane 旅鳥として山地の林を通過するが、少ない。 1982.5.6 大竜寺山(標高200m) ♂1 さえずる。 44.ルリビタキ Tarsiger
cyanurus 冬鳥として山地の林に渡来するが、少ない。 1982.11.23 竜王山(標高370m) ♂1 45.ジョウビタキ Phoenicurus
auroreus 冬鳥として渡来し、林縁部や人家周辺に生息する。 46.イソヒヨドリ Monticola
solitarius 観察例は次の1例のみ。 1982.2.8 石橋(標高60m) ♂1 那賀川沿いの人家の屋根にとまる。 47.トラツグミ Turdus
dauma よく茂った広葉樹の林に生息するが、繁殖期の観察例はなかった。 1982.2.2 青少年の森学習館の窓ガラスに衝突し死亡 1 1982.11.23 大竜寺山(標高550m) 1 48.シロハラ Turdus
pallidus 冬鳥として渡来し、低山の広葉樹の多い林に渡来するが、鷲敷町では少ない。 1982.2.8 唐杉(標高120m) 2 49.ツグミ Turdus
naumanni 冬鳥としと渡来し、林縁部や人家周辺に生息する。 50.ヤブサメ Cettia
squameiceps 夏鳥として渡来し、ヤブの多い林に生息する。 1982.6.6 大竜寺山(標高450m) 幼鳥6・成鳥2 51.ウグイス Cettia
diphone 山地のササやヤブの多い明るい林で繁殖し冬期は人家周辺にも現われる。 52.センダイムシクイ Phylloscopus
occipitalis 夏鳥として渡来し、山地の広葉樹の自然林に生息するが、多くない。 1982.6.6 竜王山(標高600m) 1 さえずる。 53.キクイタダキ Regulus
regulus 冬鳥として渡来し、山地のモミ・アカマツなど針葉樹の多い林に生息する。 1982.11.23 竜王山(標高670m) 3 スギの樹冠部分を飛び回る。 54.セッカ Cisticola
juncidis 草地や那賀川沿いのアシ原に生息する。 55.キビタキ Ficedula
narcissina 夏鳥として、広葉樹の自然林に渡来するが、今回の調査では渡り途中の個体と思われる次の1例が記録されたのみである。 1982.5.6 大竜寺山(標高600m) 1 56.オオルリ Cyanoptila
Cyanomelana 夏鳥として渡来し、山地の渓流沿いの林に生息する。 エナガ科 Family
AEGITHALIDAE 57.エナガ Aegithalos
caudatus 留鳥。広葉樹の多い林に生息する。 1982.8.1 竜王山(標高380m) 7(家族群) シジュウカラ科 Family
PARIDAE 58.ヒガラ Parus
ater 留鳥。山地のモミの多い林に生息する。鷲敷町では主として標高450m以上で生息する。 1982.6.6 竜王山(標高590m) 2 うち1羽さえずる。 59.ヤマガラ Parus
varius 留鳥。山地の広葉樹の多い林に生息する。 1982.6.6 南川(標高200m) 幼鳥3・成鳥1 鱗翅目幼虫を給餌。 60.シジュウカラ Parus
major 留鳥。山地の広葉樹の多い林に生息する。 1982.6.6 大竜寺山(標高250m) 幼鳥1・成鳥2 キバシリ科 Family
CERTHIIDAE 61.キバシリ Certhia
familiaris 観察例は次の1例のみで、貴重である。 1982.2.11 大竜寺山(標高600m) 1 メジロ科 Family
ZOSTEROPIDAE 62.メジロ Zosterops
japonica 留鳥。常緑広葉樹の多い林に生息する。冬期は樹木の多い人家周辺にも現われる。 1982.5.5 南川(標高250m) 1 鱗翅目幼虫をくわえて茂みへ入る。 ホオジロ科 Family
EMBERIZIDAE 63.ホオジロ Emberiza
cioides 留鳥。平地から山地の林縁部に普通に生息する。 1982.6.6 田野(標高60m) ♂1・♀1 造巣中 64.ホオアカ Emberiza
fucata 冬鳥として渡来し、平地の草地・農耕地に生息するが、少ない。 1982.5.5 北地(標高50m) 1 65.カシラダカ Emberiza
rustica 冬鳥として渡来し、山麓の林縁部に生息する。 1982.2.11 小延(標高70m) 22 66.ミヤマホオジロ Emberiza
elegans 冬鳥として渡来し、明るい林に生息する。 67.アオジ Emberiza
spodocephala 冬鳥として渡来し、明るい林や林縁部に生息する。 68.クロジ Emberiza
variabilis 冬鳥として山地の林に渡来するが、少ない。 1982.2.8 竜王山(標高130m) ♂2 スギ林内の地上 アトリ科 Family
FRINGILLIDAE 69.カワラヒワ Carduelis
sinica 留鳥。平地から山地の林縁部に普通に生息する。 1982.11.23 竜王山(標高730m) 2 70.ウソ Pyrrhula
pyrrhula 冬鳥または旅鳥として、ヤマザクラの多い自然林に渡来するが、極めて少ない。 1982.2.11 竜王山(標高400m) 1 鳴き声のみ 71.イカル Eophona
personata 広葉樹の多い明るい林に生息するが、少ない。 1982.6.6 竜王山(標高550m) 1 さえずり。 ハタオリドリ科 Family
PLOCEIDAE 72.スズメ Passer
montanus 留鳥。人家・農耕地周辺に普通に生息する。 ムクドリ科 Family
STURNIDAE 73.ムクドリ Sturnus
cineraceus 留鳥。人家・農耕地周辺に普通に生息する。 カラス科 Family
CORVIDAE 74.カケス Garrulus
glandarius 留鳥。山地の広葉樹の多い林に生息する。 1982.6.6 南川(標高100m) 1 エサをくわえて茂みに入る。 75.ハシボソガラス Coruus
oorone 留鳥。平地の河原や農耕地に生息する。 76.ハシブトガラス Corvus
macrorhynchos 留鳥。平地から山地まで広く生息する。 ○ ドバト 橋の下などにすみ、農耕地で採餌する。 |