1.調査年月日 第一回 昭和52年8月1日〜4日 第二回 昭和52年9月22日〜23日
2.はじめに 山城町の植物調査は、今まで充分に行なわれているとはいえない。部分的には地域の人の調査報告があったり、阿部近一・伊延敏行・木村晴夫などが、本県植物調査の一部として、大和川付近・塩塚山・野鹿池山・黒滝山などの調査をした。その標本を所蔵したり、メモ程度のものは作っているが、まとまった報告調査ではない。従って植物の分野については未開拓の地といえる。植物とその地域の人たちの関連は非常に密接なものであるにもかゝわらず、放置されていたわけである。それだけに今回の調査は興味深いものがあった。 調査団は、前記二回の外、数次にわたり本町を調査し、炎暑をいとわず、高山・河川・神社仏閣の社叢などをおとづれ、本調査のまとめをした。 植物分布の基盤をなす、1地形、2地質、3気候などの環境調査を行ない、その上に立って、本町の植物の分布や相を報告することにする。
3.概観
本町は四国の島のほぼ中央、徳島県の西端にあるため、気候的にはやゝ内陸性の気候を帯びている。したがって夏は割合にあつく、冬は割合いに寒いという傾向があり、植物分布的には、地形以上に広範囲の分布域を示すことになる。雨量も多いほうではなく、瀬戸内気候に近い性質がある。急傾斜地が多いことと相まって、湿地性植物は全町的には少ない。ただ大和川流域や上流方面のような盆地的地域には、湿地性植物がかなり多く、珍しい種類も見られる。しかしこの方面も牧場などの開発や、休耕田などによる荒廃により、いわゆる雑草が繁茂し、自然のバランスを失なっているところがかなりある。 本町の最低地は、町の東北仙野・猫坊あたりで、110メートルぐらいの高度である。ここから本流をさかのぼり、支流をたどって谷川に沿い、高度約四百メートルまでは帯状に暖帯樹が侵入分布している。そのほか神社・仏閣・民家などの周辺には、点在する常緑広葉樹の小群落があり、タブノキ・ヤブツバキ・チャノキなどがかなりの勢力を占めている。調査第三日目の8月3日、一同で黒滝山の登頂をこころみた。途中高度450メートルぐらいのところに一軒の民家があり、清流が竹といを流れていた。みんなはよろこんでのどをうるおし、ふと上を見ると小さいほこらがあり、そのうらに大きな木が二本ある。何だろうと見るとタブの木で、早速太さをはかってみると、目通り2.95メール、2.85メートルもあった。こんな高いしかも奥地に暖帯のシンボルであるタブがあろうとは一同驚ろいた次第である。栽培品は自然林より生育範囲が広いものであるが、それにしても高いところまで分布しているものだ。やはりこのあたりは暖かいのだという証拠である。山城町では全般的にいって、高度三・四百メートルまでは暖帯林でそれを過ぎると、落葉広葉樹の温帯林となるようである。
![](2403/24shokubutu1_fig01.gif) 図のように高度400メートルから1,000メートルぐらいは、温帯下部であって落葉広葉樹帯となり、その標徴種であるクリをとってクリ帯という。ナラ・カエデ類・シデ類など多数の樹種がある。しかし本町の山林は大多数の面積は、スギ・ヒノキで植林されてており、ブナ帯独特の大群落は殆んどない。
高度千メートルに近くなると、山頂や陵線にミズナラ・ブナなどの温帯上部の落葉広葉樹が現われる。中曽山は山頂930メートルであるが、頂上下の900メートルぐらいの地点で、目通り2.6メートル(周囲)のブナがあった。黒滝山頂から4・5キロメートル東部陵線の白石山付近にも3メートル前後の太さがあるブナ林があった。その樹下には、バイケイソウなどの珍らしい草本がある。
野鹿池山頂にもブナ・ホンシャクナゲなどがあり、温帯上部の標徴種ブナ、コハクウンボクの名をとってブナ帯という。全町に分布する植物数は119科575種であるが、春の調査が充分に行なわれていないし、夏の調査や秋の調査も完全であるとはいえない。もし完全に行なわれたとすれば、1,000種前後の植物が生育しているものと思われる。出来うれば、今後の継続調査を期待するものである。
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4.地形
山城は南北に長いほぼ長方形をした形をしている。北は池田町に接し、海抜約600メートルの高さで境界線を作り、北西隅には747メートルの峰畑山がある。西は愛媛県に接し、南方にいくに従がって高く、塩塚峰1,045メートル・剣の山1,105メートルなどがあり、南西隅と近いところに三停示山1,157メートルがある。名の示すように南には高知県があって、三県の分水嶺となっている。東には吉野川の本流があり、本県唯一の吉野川本流西部の町である。吉野川は断崖絶壁をなし、その西岸を国道32号線が走り、また土讃本線が川をぬうように右岸・左岸をまたいで通っている。地域の高度は北端の仙野で約110メートル南に行くに従って少しづつ高くなり、118、120、128、130、133、147、小歩危168、163、169、赤野、177、181、高知県境の南日浦で196.3メートルとなっている。町の西南が高く、北東が低い急傾斜地をしている。吉野川は池田町以東では、中央構造線に平行するように東へ流れるが、池田からは急に南に方向を転じ、山城町の東部を四国山脈を横断し、山脈を深く侵蝕して北に流れている。従って峡谷は深く、山は高く、特に大歩危・小歩危では、深い峡谷の底には左右から岩石が相互に突出、天下の景勝を作るとともに突出した岩や岩壁に春にはキシツツジ、各種のランを咲かせ、秋にはいろいろな落葉広葉樹が紅葉を呈して、岩うつしぶきやよどみに映えるのである。
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山城町にはこの吉野川の支流である三本の主な川あり、東または東北に流れている。一番北は伊予川で愛媛の山や先にのべた峰畑山などから東に流れ、川口で吉野川に注いでいる。中央の白川は、剣の山・三傍示山などから北東に流れ、南の藤川谷は、野鹿池山・黒滝山方面から北東に流れて吉野川に流入している。平野部は殆んどなく、川にところどころわずかの平地があるだけで、全町は急傾斜地となり、壮年期の地形を呈し、畑は耕して天に至り、林地はひな壇のように、杉・桧の植林が立ち上っている。原生林と思われるのは至って少なくわずかに高山地の陵線付近に残存し、自然の植生を見ることは困難である。ただ各地の社叢・村落などに多少の群落があって、春の植生を類推するぐらいである。山林の伐採や開発はひどく、至るところに開通している林道により皆伐される反面植林も順次行なわれているが、総じて開発の方が強いようである。したがって急傾斜地や断崖のようなところは放置され、若い二次林が各所に見られるのである。
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5.地質 徳島県のほぼ中央を東西に走っている三波川層は、巾広く、本県の約三分の一を占めている地層としては最も古いもので、古生代デボン記の岩石が圧力や地熱のため変成され、層状になった変成岩と推定されている。山城町は、この三波川層の地質で出来ており、それを構成する岩石は緑色片岩・石英片岩・泥質変岩などがある。特筆すべきことは、大歩危や西祖谷などにある含礫片岩である。古生代に地表にあらわれていた礫や砂・泥が地盤の沈下により地殻の中に埋まり、それが他の岩石とともに変成され、礫などを含んだ結晶片岩となったものであるという。この岩礫片岩や片状砂岩の層が、北部大和川付近と、中南部大歩危付近を二列になって東西に分布している。また大歩危付近は、この三波川層が背斜構造をしているので、古い地質の研究やその下にあるマグマの調査には好適であり、学界で利用されることがある。 もう一つ特筆すべきことは、山城町の北部、池田町の馬路川にそって、中央構造線が走っていることである。日本アルプス南部の糸魚川付近から発したこの線は、紀州の中部、本県の吉野川北岸を走り、池田町州津の鮎苫谷川でその露頭を見せ、松山市南方、九州中北部を経て海に入っている。この線が本町の北部をかすめるように東西に走っている。この中央構造線の南部と北部では植物の分布にかなりの相違があり、北方の内帯に属するものに、スミレサイシン・ホクチアザミなどのような珍らしい植物が見られ、南方の外帯には南方系のシシンラン、コキンバイザサなどの珍種が分布している。 しかし中央構造線とは、白亜紀直後に、三波川層の結晶片岩と、和泉層群の領家帯との間に出来た一断層であるからその巾は至って細い。従ってこの断層を横ぎって、南北両方の植物が交錯するのは当然である。山城町は、南方系の植物を多数所有するとともに、北方系の植物も若干分布しているのである。池田町以東は、吉野川というやや大きな分離帯をもっているので、阿讃山脈と四国山脈の植物がかなり相違した特微を示しているが、山城町付近では南北両地域の植物が入り交る可能性が大であり、前記のような分布を示すことになる。
6.気候 気候の相異による植物の変化はいちじるしいものがあり、本県においても、県南海岸の亜熱帯性気候から、剣山頂近くの亜寒帯性気候の巾広い変異があり、それぞれの植物が生育しているのである。これらの気温とともに雨量の変化も同様に植物の生育と重大な影響を及ぼしている。県南海岸の年間4,000ミリメートル前後の降水量と、本町のように1,200ミリメートル前後の降水量では、植物の生育・種類の分布にかなりの相異がある。概していえば、本町は内陸性気候をもち、裏日本地帯に近い外帯地であるといえる。冬は割合寒く(宍喰との差5°)夏は割合い暑い(宍喰との差3.5°)のである、表には夜間の気温は出ていないが、夜は急に温度の下がることは内陸性気候の特微で、冬は寒いが夏は住みよいといえる。以下表と図により気温・雨量を示す。
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![](2403/24shokubutu1_fig07.gif) 鈴木時夫・山崎敬説によるクリモグラフを作ったが適確にその変化をあらわしている。宍喰では、最高気温の8月と、最低気温の1月とを結ぶ線が、X軸とのなす角は21度で高温多湿の外帯を現わし、徳島市では69°で、内陸型にやや近い外帯であることを現わしている。残念ながら山城町の統計はないので池田町と京上の統計により類推していただくとして、池田町は78°で内陸型の外帯を現わし、京上にいたっては89°で、まさに裏日本型に近い外帯・内陸型気候を示している。
7.襲速紀植物 前記中央構造線にそって南北に分布する一群の植物を襲速紀植物といったり襲速紀要素といったりする。地史的に見て起原を同じくし、分布的に見て朝鮮・中国大陸ともつながると考がえられる隣組の植物といってよい。テバコモミジガサ・シモバシラ・コハクウンボク・モチツツジ・シコクスミレ・アワブキ・ホソエカエデ・ヒメシャラ・イワユキノシタ・シコクフウロ(イヨフウロ)・ヒコサンヒメシャラ・オオバメギ・コウヤマキ・ギンバイソウなどであって、今回の調査でもその大部分が発見されている。これらの植物は中央構造線の発生とともに生育をはじめたと推定される。 古生代デボン紀の古い地層である三波川層にそって分化したものと考えられる。これらの植物は、中央構造線の南北に生育し整然とした分布を示している。日本は、古生代といわれる古い時代から、現代に至るまで中国大陸や北米などとも離合集散をくりかえし、氷河期などのように寒冷時代、石炭期や陸地構成当時のように高温時代をくりかえし、幾多の変遷を重ねてきたものであるという。この地形地質の変革にともなって植物は或いは高山へのがれ、平地に下り、ひどい場合には絶滅するようなこともあったに相違ない。その証拠が化石植物となって残存しているわけである。 これらの変遷に耐え生き残った襲速紀植物と山城町の植物、さらに大きくは満鮮中国の植物、また遠く北米の植物との類縁関係があるかどうかは、大きなまた困難な宿題であるといえる。現在山城町に生存する植物の一木一草はすべてこのような歴史を経てきたものや、最近に帰化したものなど、それぞれに生命の流れを受けつぐほこり高き生物といっても過言ではない。
8.帰化植物 今回の調査で記録されているものは、次の九種である。まだ未調査のものがかなりあると思うがこの報告では以上の九種と断定して考察したい。 ヒメムカシヨモギ・アメリカセンダングサ・ヒメジョオン・オオアレチノギク・ダンドボロギク・ベニバナボロギク・ハキダメギク・オニウシノケグサ・クロコヌカグサ 最後の三種は、牧草にまじったり、土止めにしたりしているものである。ベニバナボロギクなどは最近帰化したもので、山城町ではまだ強い勢力をもつところまでは至っていない。キク科・イネ科の植物が多く拡散力の強さを示している。 帰化植物の侵入率を帰化率といって、自然の破壊度原生林の汚染をはかるものさしとなっている。今回の調査リストにより、本町に分布する植物を約600とすると、帰化率は600分の9で、1.5%となる。帰化率としては非常に低いものである。これは種数の上の比率であるが勢力(被土)の点で考がえてみても微々としたもので、山城町の自然は守られていると言える。すぐ近くの池田町の西にはかなり多く、また馬路小学校の付近まで最近問題になったセイタカアワダチソウが侵入して来ているが、山城町では今回の調査では発見されなかった。しかしこの侵入も時間の問題であると考える。 近時皆伐による植生の破壊は、山地の崩壊を来たし、大きな災害の原因となっている。ことに本町のような急傾斜地帯では、その害はひどい。この度の調査でも、中曽山をはじめ各他の山林や原生林が皆伐されているのを見た。本町においても経済上の問題・個人の自由の点などいろいろな問題点はあろうが、自然と人間・植物と動物は共存するものであることを思い、自然の破壊は人間の破壊につながることを考えて、各地の社叢のように、自然愛護に努力してほしいものである。
9.各地の植物 代表的な数ケ所の植物の種類をあげ、その分布と特徴をあげる。 (1)下川―伊邪那岐神社 高度250メートル 暖帯の樹 アラカシ・カゴノキ・ツブラジイ・クロガネモチの大木・ヤブツバキ・シュロ・ヤマグルマ・サカキ 温帯下部の樹 ケヤキ・エノキ・ヤツデ・ムクロジ 温暖の混交林であるが、暖帯林が優勢 (2)上名影―二羽神社 高度320メートル 暖帯の樹 ツクバネガシ・アラカシ・シラカシ・モチノキ・サカキ・カゴノキ・その他 温帯下部の樹 ヒノキ・トチノキ・オンツツジ・イイギリ・アセビ・シラキ・クマノミズキ 温暖の混交林、暖帯林優勢 (3)大川持―石立神社 高度180メートル 暖帯の樹 アラカシ・ホソバタブ・イヌビワ・シロダモ・ヤブニツケイ・カゴノキ 温帯下部の樹 ケヤキ・スギ・ムクノキ・アオキ 混交林、暖帯林優勢 (4)平―平賀神社 高度510メートル 暖帯樹 シラカシ・ウラジロガシ・カゴノキ・ヤブツバキ・ヤブニッケイ・サカキ 温帯下部の樹 コナラ・スギ・ヒノキ・ホウノキ・アセビ・オンツツジ・ネジキ・ユヅリハ 温暖の混交林で、勢力伯仲している。両者ともよく茂り、ムヨウラン・ベニカヤランあり。
![](2403/24shokubutu1_fig09.gif) (5)白石山―黒滝山東部陵線 高度1,180メートル 温帯上部植物 ブナ・コハクウンボク・ミズナラ・バイケイソウ 温帯下部植物 ミズキ・ウラジロノキ・ホウノキ・シラキ・ウリハダカエデ・ヤマボウシ 1,180メートルともなると、ブナ帯植物が出現し、その標徴種のブナやミズナラが見られ、樹下にはバイケイソウなどの珍種も出てくる。 (6)中曽山 930メートル ブナ帯植物 ブナ・シャラノキ・シコクスミレ・エンレイソウ・シャクナゲ・アオフタバラン・スズタケ・ツルシキミ クリ帯 フジウツギ・フサザクラ・カツラ・ニワトコ・ヤマアジサイ・アセビ・コシアブラ 帰化植物―ヒメムカシヨモギ・ダンドボロギク
![](2403/24shokubutu1_fig10.gif) (7)塩塚山 1,043メートル 高度がそう高くないのか、開拓して牧場としたためかブナ・ミズナなどは見えない。頂上までいちめんのススキの原となっている。ススキの耐寒力や旺盛さにはおどろいた。その間にコウゾリナ・シオガマギク・ヤナギタンポポなどがぼつぼつ見られるススキの群落の周辺部や、山頂のススキの少ないところに、ノダケ・オキナグサ・ホクチアザミ・モリアザミ・コキンバイザサ・フクジュソウ・オオバギボウシ・ヒメヒゴタイなどの珍らしい植物がある。
![](2403/24shokubutu1_fig12.gif) (8)野鹿池山 1,294メートル 本町最高の山で、頂上は数年前までは原生林であったという。山頂に野鹿池という池があったが、今回の調査では山頂は伐採され、わずかに下草や低木がのこり、池は干上って湿地帯となり、オオミズゴケがいちめんに繁殖していた。ブナ・ミズナラなどの大木は一本もなく、僅かにれたのがあって昔の様子を伝ブナの枯えていた。その木にはこけがいちめんに生えその上にクサノオオバノギクが沢山生えていて黄色い花を咲かていせた。かつてはブナ・スズタケ群落としてはえ茂っていただろうに、今はスズタケだけが残存している。池の中にはシャクナゲが多く、ブナ帯の二次林となっている。頂上付近には珍種が多く、スミレサイシン・ベニイトスゲ・シコクスミレ・オオミゾソバなどがある。九合目ぐらいにイヌザクラの大木が、枯死寸前で残り、他は杉・桧の殖林である。
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10.特記すべき植物 (1)シシンラン イワタバコ科伊豆・大和・隠岐・四国・九州・大陸産、県新記録
![](2403/24shokubutu1_fig15.gif) (2)イワギリソウ イワタバコ科 一属で一種しかない日本暖帯特産種、高越・西祖谷山域産 (3)べニカヤラン・ウチョウラン・イワチドリ ラン科 本州中西・四国・九州の暖帯産 (4)ムヨウラン ラン科 紀伊半島・四国・九州の暖帯に稀産。 無葉菌根植物、夏白花開く。 (5)ホンシャクナゲ ツツジ科 本州中部以西・四国・九州に生育、5月紅紫色の美花開く。 (6)クサノオオバノギク キク科 本州中西・四国・九州・朝鮮・満州産温帯の残存植物。
![](2403/24shokubutu1_fig18.gif) (7)ホクチアザミ キク科 愛知以西・四国・九州・朝鮮の高地産温帯植物。本県では山城町特産 (8)モリアザミ キク科 山ごぼうといい食用 (9)ヒメヒゴタイ キク科 塩塚山頂に多い。日本全土・樺太・満鮮など北東亜産温帯植物 (10)フクジュソウ キンポウゲ科 全日本・北東亜産の温帯植物、塩塚山産、栽培品多し。 (11)オキナグサ キンポウゲ科 本州・四国・九州・朝鮮・中国産の温・暖帯植物、塩塚山産 (12)コミヤマカタバミ カタバミ科 日本・北半球温帯・寒帯に広く分布する温帯植物 (13)ミヤマカタバミ カタバミ科 本州・四国九州・中国・ヒマラヤ産の暖帯植物
![](2403/24shokubutu1_fig19.gif) (14)オオバギボウシ ユリ科 自生・栽培変異多 (15)コキンバイザサ ヒガンバナ科 塩塚山稀産西日本・中国・ヒマラヤ・印度産の暖〜熱帯植物
![](2403/24shokubutu1_fig20.gif) (16)バイケイソウ ユリ科 日木・北東亜産のブナ帯植物。ドスと称し、皮ふ病の民間薬とす (17)シコク(ベニ)イトスゲ カヤツリグサ科 (18)アズマナルコ カヤツリグサ科 温帯植物 (19)イチョウ イチョウ科 県下一のイチョウ 胸高周11.06m 内野尾 藤川ハルエ氏所有
![](2403/24shokubutu1_fig22.gif) (20)栽培品 チャ・コウヅ・ミツマタ・タバコ (21)スミレサイシン 本州北部・北海道に分布する珍稀種 野鹿池山地産
山城町植物目録 調査者 阿部近一・木内和美・木下覚・木村晴夫・高藤茂・田渕武樹
裸子植物 イチョウ科―イチョウ イチイ―カヤ マキ―イヌマキ イヌガヤ―イヌガヤ マツ―アカマツ、ツガ スギ―スギ ヒノキ―ヒノキ 被子植物 単子葉植物 オモダカ―アギナシ、ウリカワ、クワイ イネ―アキエノコロ、アシ、アシボソ、イヌビエ、オガルカヤ、オニウシノケグサ、カゼクサ、カニツリグサ、カモジグサ、クロコヌカグサ、コウヤザサ、コブナグサ、コメヒシバ、ササクサ、ジシバリ、ススキ、スズメノテッポウ、チガヤ、チヂミザサ、ツクシスズメノカタビラ、ヌカボ、ネズミガヤ、ノガリヤス、ミゾイチゴツナギ、ミヤマササガヤ、メヒシバ、ヤダケ、ヤマカモジグサ カヤツリグサ―アオスゲ、アズマナルコ、アブラガヤ、イトハナビテンツキ、イトスゲ、カヤツリグサ、カンスゲ、コハンスゲ、コゴメカヤツリ、コップモエギスゲ、タガネソウ、タマガヤツリ、ナキリスゲ、ナルコスゲ、ヌカスゲ、ヒカゲスゲ、ヒゴクサ、ベニイトスゲ ヤシ―シュロ サトイモ―アオテンナンショウ、オオハンゲ、カラスビシャク、マムシグサ、ミツバテンナンショウ ウキクサ―ウキクサ ツユクサ―ヤブミョウガ、ツユクサ ミズアオイ―コナギ イグサ―イ、ヌカボシソウ、ヤマスズメノヒエ ビャクブ―ナベワリ ユリ―アマドコロ、ウバユリ、オオバギボウシ、シオデ、ショウジョウバカマ、シライトソウ、シロバナエンレイソウ、シロバナショウジョウバカマ、チゴユリ、ツクバネソウ、ナガバジャノヒゲ、ナルコユリ、ノカンゾウ、ノギラン、ホウチャクソウ、ホソバナルコユリ、ヤブカンゾウ、ヤマジノホトトギス ヒガンバナ―オオキツネノカミソリ、キツネノカミソリ、コキンバイザサ、ヒガンバナ ヤマノイモ―カエデドコロ、キクバドコロ、ヒメドコロ、ヤマノイモ アヤメ―シャガ ショウガ―ショウガ ラン―アオフタバラン、イワチドリ、ウチョウラン、エビネ、オオバノトンボソウ、オオヤマサギソウ、カキラン、クマガエソウ、クモキリソウ、シュンラン、ナツエビネ、ネジバナ、フウラン、ベニカヤラン、ムカゴソウ、ムヨウラン 双子葉植物 離弁花類 ドクダミ―ドクダミ センリョウ―ヒトリシズカ、フタリシズカ ヤナギ―ハコヤナギ、ヤマナラシ カバノキ―アズサ、アカシデ、アサダ、イヌシデ、クマシデ、ヤシャブシ、ケヤマハンノキ? ブナ―アカガシ、アラカシ、イチイガシ、ウラジロガシ、クヌギ、クリ、コナラ、シラカシ、ツクバネガシ、ツブラジイ、ブナ、ミズナラ ニレ―エノキ、ケヤキ、ムクノキ クワ―イヌビワ、コウゾ、ヤマグワ イラクサ―アカソ、ウワバミソウ、キミズ、クサコアカソ、コアカソ、ナンバンカラムシ、ミズ、ムカゴイラクサ、ヤマミズ ビヤクダン―カナビキソウ ウマノスズクサ―クロフネサイシン、フタバアオイ タデ―アキノウナギツカミ、イタドリ、イヌタデ、ギシギシ、タニソバ、ハナタデ、ハルトラノオ、ミゾソバ、ミズヒキ、ミヤマタニソバ、ヤマミゾソバ ヒユ―イヌビユ、イノコヅチ ザクロソウ―ザクロソウ ナデシコ―アオハコベ、ウシハコベ、コハコベ、ナンバンハコベ、ハコベ、ミミナグサ ヤマグルマ―ヤマグルマ フサザクラ―フサザクラ カツラ―カツラ キンポウゲ―アキカラマツ、オオバショウマ、オキナグサ、キツネノボタン、キンポウゲ、サラシナショウマ、シキンカラマツ、センニンソウ、タカネハンショウヅル、ニリンソウ、フクジュソウ、ミヤマハンショウヅル、ヤマキツネノボタン、ヤマシャクヤク アケビ―アケビ、ミツバアケビ メギ―メギ ツヅラフジ―オオツヅラフジ、コウモリカズラ モクレン―シキミ、タムシバ、ビナンカズラ、ホウノキ、マツブサ クスノキ―アブラチャン、イヌガシ、カコツキ、カナクギノキ、クロモジ、シロダモ、シロモジ、タブノキ、バリバリノキ、ホソバタブ、ミヤマクロモジ、ヤブニツケイ ケシ―キケマン、チヤンバギク、ヒメエンゴサク、ムラサキケマン アブラナ―イヌガラシ、タネツケバナ、ナズナ、マルバコンロウソウ、ユリワサビ、ワサビ ベンケイソウ―コモチマンネングサ、ツルネコノメソウ、べンケイソウ ユキノシタ―イワガラミ、ウツギ、ウメバチソウ、ガクウツギ、ガクアジサイ、クサアジサイ、コチヤルメルソウ、ジンジソウ、トリアシショウマ、ネコノメソウ、ノリウツギ、バイカアマチャ、ヤマアジサイ マンサク―イスノキ バラ―イヌザクラ、ウラジロイチゴ、ウラジロノキ、ウワミズザクラ、オヘビイチゴ、カマツカ、キンミズヒキ、クサイチゴ、クマイチゴ、コゴメウツギ、ダイコンソウ、テリハキンバイ、ナガバキイチゴ、ナワシロイチゴ、ノイバラ、ヒメキンミズヒキ、フユイチゴ、ミツバツチグリ、ミヤマフユイチゴ、ヤブヘビイチゴ、ヤマザクラ マメ―カラスノエンドウ、クサネム、クズ、コマツナギ、シロツメクサ、ナツフジ、ヌスビトハギ、ネコハギ、ネムノキ、ヒメクズ、ホドイモ、マルバハギ、ミヤコグサ、メドハギ、ヤハズソウ フウロソウ―ゲンノショウコ カタバミ―カタバミ、コミヤマカタバミ、ミヤマカタバミ ミカン―サンショウ、イヌザンショウ、キハダ、コクサギ、ツルシキミ、マツカゼソウ ニガキ―ニガキ ヒメハギ―ヒメハギ トウダイグサ―アカメガシワ、シラキ、ヒメミカンソウ、ユズリハ ウルシ―ツタウルシ、ヌルデ、ヤマハゼ モチノキ―イヌツゲ、クロガネモチ、ソヨゴ、モチノキ、アオハダ ニシキギ―コマユミ、ツルマサキ カエデ―イタヤカエデ、イロハモミジ、ウリハダカエデ、オオモミジ、カジカエデ、コハウチワカエデ、コミネカエデ、チドリノキ、ヒナウチワカエデ ツリフネソウ―ツリフネソウ トチノキ―トチノキ ムクロジ―ムクロジ アワブキ―アワブキ クロウメモドキ―ケンポナシ ブドウ―ノブドウ シナノキ―カラスノゴマ マタタビ―サルナシ ツバキ―サカキ、チャノキ、ナツツバキ(シヤラノキ)、ヒサカキ、ヤブツバキ オトギリソウ―アゼオトギリ、オトギリソウ、コケオトギリ、サワオトギリ、トモエソウ スミレ―アケボノスミレ、エジスミレ(エイザン)、コタチツボスミレ、シコクスミレ、スミレ、スミレサイシン、タチツボスミレ、ツボスミレ、ヒゴスミレ イイギリ―イイギリ ジンチョウゲ―ミツマタ グミ―アキグミ ウリノキ―ウリノキ アカバナ―アカバナ、タニタデ、ミズタマソウ アリノトウグサ―アリノトウグサ ウコギ―イモノキ、ウド、コシアブラ、タラノキ、トチバニンジン、ヤツデ セリ―ウマノミツバ、オオチドメ、シシウド、セリ、セントウソウ、チドメグサ、ツボクサ、ノダケ、ミツバ ミズキ―アオキ、クマノミズキ、ハナイカダ、ミズキ、ヤマボウシ 合弁花類 リョウブ―リョウブ イチヤクソウ―イチヤクソウ、ギンリョウソウ、シャクジョウソウ ツツジ―アセビ、オンツツジ、カイナンサラサドウダン、カクミノスノキ、キシツツジ、コバノミツバツツジ、シロドウダン、トサノミツバツツジ、ネジキ、ホンシャクナゲ、ヤマツツジ ヤブコウジ―イズセンリョウ、ヤブコウジ サクラソウ―オカトラノオ ハイノキ―オオバアサガラ、サワフタギ、タンナサワフタギ、ハイノキ エゴノキ―アサガラ、エゴノキ、コハクウンボク モクセイ―イボタノキ、コバノトネリコ、シオジ、ネズミモチ、ヒイラギ フジウツギ―フジウツギ リンドウ―アケボノソウ、アサマリンドウ、センブリ、ツルリンドウ、フデリフドウ、リンドウ ガガイモ―カモメヅル ヒルガオ ムラサキ―キュウリグサ、ハナイバナ、ミズタビラコ、ヤマルリソウ シソ―アキノタムラソウ、アキチヨウジ、イヌコウジュ、ウツボグサ、カワミドリ、キバナアキギリ、キランソウ、クルマバナ、シモバシラ、タカクマヒキオコシ、タニジャコウソウ、テンニンソウ、トウバナ、ナギナタコウジュ、ヒキオコシ、ヤマジオウ、ヤマトウバナ、レモンエゴマ ナス―ハシリドコロ ゴマノハグサ―アゼナ、キリ、コシオガマ、シオガマギク、タチイヌノフグリ、ミゾホウヅキ、ムラサキサギゴケ イワタバコ―イワギリソウ、イワタバコ、シシンラン キツネノマゴ―キツネノマゴ ハエドクソウ―ハエドクソウ オオバコ―オオバコ アカネ―アカネ、アリドウシ、クルマムグラ、ハシカグサ、ヒメヨツバムグラ、ヤイトバナ、ヨツバムグラ スイカズラ―オトコヨウゾメ、キバナツクバネウツギ、コツクバネウツギ、コバノガマズミ、ニワトコ、ミヤマガマミズ、ミヤマシグレ、メツクバネウツギ、ヤブウツギ、ヤブデマリ、ヤマシグレ オミナエシ―オトコエシ、オミナエシ ウリ―オオカラスウリ、モミジカラスウリ キキョウ―ツルニンジン、ホタルブクロ、ミゾカクシ キク―アキノキリンソウ、アキノノゲシ、アメリカセンダングサ、オオアレチノギク、オオモミジガサ、オタカラコウ、オトコヨモギ、オヤマボクチ、カセンソウ、キクバヒヨドリ、クサノオオバノギク、コウゾリナ、コウヤボウキ、サワヒヨドリ、シマカンギク、シュウブンソギウ、センダングサ、センボンヤリ、タイミンガサモドキ、ダンドボロク、タンポポ、テバコモミジガサ、ニガナ、ニシノヤマタイミンガサ、ノコンギク、ハキダメギク、ハバヤマボクチ、ヒメアザミ、ヒメジョオン、ヒメヒゴタイ、ヒメムカシヨモギ、ヒヨドリバナ、フキ、ベニバナボロギク、ホウキギク、ホクチアザミ、ホソバガンクビソウ、ホソバコンギク、ムラサキニガナ、モミジガサ、モリアザミ、ヤクシソウ、ヤナギタンポポ、ヤブタバコ、ヤマアザミ、ヤマニガナ、ヤマシロギク、ヨツバヒヨドリ、ヨナメ、ヨモギ 羊歯植物 ヒカゲノカズラ―ホソバトウゲシバ トクサ―スギナ ハナワラビ―オオハナワラビ、ナツノハナワラビ ゼンマイ―ゼンマイ イノモトソウ―アマクサシダ、イワガネゼンマイ、フモトシダ、ワラビ キジノオシダ―オオキジノオ、キジノオシダ オシダ―イヌガンソク、イノデ、イノデモドキ、イワヘゴ、ウスヒメワラビ、オニカナワラビ、クマワラビ、ゲジゲジシダ、コバノカナワラビ、サイゴクイノデ、シケチシダ、ジュウモンジシダ、シラネワラビ、タニイヌワラビ、ツヤナシイノデ、ヌリワラビ、ノコギリシダ、ハクモウイノデ、ハリガネワラビ、ベニシダ、ヘビノネゴザ、ホシダ、ホソバカナワラビ、ミゾシダ、ミヤマイタチシダ、ミヤマノコギリシダ、ムクゲシケシダ、メヤブソテツ、ヤブソテツ、ヤマイタチシダ、ヤマイヌワラビ、ヤワラシダ、リョウメンシダ シシガシラ―シシガシラ ウラボシ―クリハラン 計 119科 575種 |