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昭和42年７月24日〜25日の２日間にわたり日峰，小神子，恩山寺〜小松島方面の薬用植物分布調査を行なったので，その結果を報告する。（40科66種）
1 ：植物名（科名）
2 ：分布量
3 ：薬用部（生薬名）
4 ：薬効
日峰（191.6m）
１）1 アオツヅラフジ Cocculus
trilobus（Menispermaceae）
2 ＋
3 茎幹，根（木防已）
4 利尿鎮痛
２）1 アカメガシワ Mallotus
japonicus（Euphorbiaceae）
2 ■
3 根，枝，樹皮
4 各種のガン腫
３）1 アケビ Akebia quinata（Lardizabalaceae）
2 ＋
3 つる（木通）
4 利尿，鎮痛，通経
４）1 イシミカワ Polygonum
perfoliatum（Polygonaceae）
2 ＋
3 生葉，根
4
民間で蛇かまれ，蜂さされに生葉をもんで汁をつける。根を生のままで下痢止めに煎用。
５）1 イタドリ Reynoutria
japonica（Polygonaceae）
2 ■
3 根（虎杖）
4 緩下，利尿，通経，鎮咳
６）1 イヌザンショウ Fagara
mantschurica（Rutaceae）
2 ＋
3 果実，根
4
民間で鎮咳剤，乳房の腫痛に湿布，打撲症，リウマチに塗布すれば消炎の効がある。根の煎汁は痔疾の罨法剤。
７）1 イヌホオズキ Solanum nigrum（Solanaceae）
2 ＋
3 全草（竜葵）
4 解熱，利尿
８）1 オオバコ Plantago
asiatica（Plantaginaceae）
2 ＋
3 種子（車前子），全草（車前草）
4
種子は鎮咳，止瀉，全草は健胃，利尿，強壮。生葉はあぶってはれ物の吸い出し。
９）1 オトギリソウ Hypericum erectum（Guttiferae）
2 ■
3 全草（小連ぎょう）
4
収れん，止血。生葉のもみ汁は腫物，打撲症に塗布。煎汁で温保または浴場料とすればリウマチ，神経痛によい。もみ汁は小鳥の諸病の妙薬といわれる。
10）1 オナモミ Xanthium
strumarium（Compositae）
2 ■
3 果実（蒼耳子）
4 解熱，頭痛，発汗。茎や葉をもんで湿疹，虫傷，疥せんなどに外用。
11）1 オヤブジラミ Torilis scabra（Umbelliferae）
2 ＋
3 果実（和蛇牀子）
4 収れん性消炎，強壮，強精
12）1 カタバミ Oxalis
corniculata（Oxalidaceae）
2 ＋
3 葉
4 生葉のもみ汁は皮膚病，虫さされに外用。
13）1 カニクサ Lygodium
japonicum（Schizaeaceae）
2 ■
3 胞子（海金砂）
4 淋疾
14）1 カラスウリ Trichosanthes
cucumeroides（Cucurbitaceae）
2 ＋
3 根（王瓜根），果実（上瓜実），種子（王瓜仁）
4 利尿，浄血，黄疸，下血，催乳
15）1 キンミズヒキ Agrimonia pilosa var.
japonica（Rosaceae）
2 ＋
3 全草（竜牙草）
4 止痢
16）1 クサギ Clerodendron
trichotomum（Verbenaceae）
2 ■
3 葉，根
4 催吐，マラリヤ，子供のカン
17）1 クサスギカズラ Asparagus
cochinchinensis（Liliaceae）
2 ＋
3 根（天門冬）
4 鎮咳，利尿，滋養，強壮
18）1 クズ Pueraria lobata（Leguminosae）
2 ■
3 根（葛根）
4 発汗，解熱，緩和
19）1 クチナシ Gardenia
jasminoides（Rubiaceae）
2 ■
3 果実（山梔子）
4
消炎，利尿，止血，黄疸。民間で粉末を黄柏末と酢でねって打撲に外用。黄色着色料として食品の着色に用いる。
20）1 コオニユリ Lilium
pseudotigrinum（Liliaceae）
2 ■
3 りん茎
4 民間で鎮咳，栄養，強仕に用いる。
21）1 サルトリイバラ Smilax china（Liliaceae）
2 ■
3 根茎（土茯苓，山帰来）
4 駆梅，発汗，利尿，止瀉
22）1 シキミ Illicium
religiosum（Magnoliaceae）
2 ＋
3 果実（シキミ実）
4 線香のくん香料
23）1 センニンソウ Clematis
maximowicziana（Ranunculaceae）
2 ＋
3 葉
4 民間で葉をもんで腫物にはる。
24）1 ゼンマイ Osmunda japonica（Osmundaceae）
2 ＋
3 葉
4 水腫，虫下し，脚気，利尿
25）1 タケニグサ Macleya cordata（Papaveraceae）
2 ■
3 茎葉
4 民間で茎葉の煎汁をタムシに外用，便所に入れてうじを殺す。
26）1 タラノキ Aralia elata（Araliaceae）
2 ＋
3 樹皮主に根皮（タラノキ皮）
4
家庭薬の原料，民間で糖尿病，腎臓病，胃腸病に用いる。葉を健胃剤とすることもある。
27）1 ツワブキ Farfugium
japonicum（Compositae）
2 ■
3 茎葉
4
民間で葉をもみそのまま，または火にあぶって腫物，湿疹，切傷，乳房のしこりなどに外用。茎葉の煎汁はふぐ，かつおなどの魚類中毒に効く。煎汁で痔疾の患部をあんぽうする。
28）1 テイカカズラ Trachelospermum
asiaticum（Apocynaceae）
2 ＋
3 茎葉（絡石）
4 解熱，強壮
29）1 ツユクサ Commelina
communis（Commelinaceae）
2 ■
3 茎葉
4 民間で利尿咽喉痛に用いる。
30）1 ナデシコ Dianthus
superbus（Caryophyllaceae）
2 ＋
3 種子（瞿麦子）
4 消炎，利尿，通経
31）1 ヌルデ Rhus javanica（Anacardiaceae）
2 ■
3 虫こぶ（五倍子）
4 タンニン酸，没食子酸，ピロガロール製造原料
32）1 ネズミモチ Ligustrum japonicum（Oleaceae）
2 ■
3 果実（女貞）
4 強壮
33）1 ネムノキ Albizzia
julibrissin（Leguminosae）
2 ＋
3 樹皮（合歓皮）
4 強壮，興奮，利尿，駆虫，鎮痛
34）1 ノアザミ Cirsium japonicum（Compositae）
2 ＋
3 全草
4 強壮，利尿，止血
35）1 ハゼノキ Rhus succedanea（Anacardiaceae）
2 ＋
3 果実
4 モクロウを製する。
36）1 ヒトツバ Pyrrosia lingua（Polypodiaceae）
2 ■
3 全草（石韋）
4 利尿
37）1 ヒナタイノコズチ Achyranthes
fauriei（Amaranthaceae）
2 ■
3 根（牛膝）
4 利尿，浄血，通経，脚気
38）1 ヘクソカズラ Paederia scandens（Rubiaceae）
2 ＋
3 花，葉，果実
4
民間で毒虫にさされたとき花または葉をもんで汁を塗布。凍傷に果実をつぶして患部に塗布。
39）1 ミツデウラボシ Crypsinus
hastatus（Polypodiaceae）
2 ■
3 全草（鶏脚草）
4 淋疾
40）1 ミツバアケビ Akebia
trifoliata（Lardizabalaceae）
2 ＋
3 つる（木通）
4 利尿，鎮痛，通経（アケビと同じ）
41）1 メナモミ Siegesbeckia
pubescens（Compositae）
2 ■
3 全草（きれん）
4 諸瘡，腫毒
42）1 ヤブニッケイ Cinnamomum
japonicum（Lauraceae）
2 ＋
3 樹皮，種子
4 樹皮は健胃，矯臭，矯味剤。種子から肉桂脂をつくる。
43）1 ヤブラン Liriope
graminifolia（Liliaceae）
2 ＋
3 塊根
4 民間で催乳，暑気あたりに用いる。
44）1 ヨモギ Artemisia princeps（Compositae）
2 ■
3 葉（艾葉），腺毛および毛（モグサ）
4 腹痛，子宮出血
45）1 リュウノウギク Chrysanthemum
makinoi（Compositae）
2 ＋
3 全草
4 精油を香料とする。
小神子
１）1 アオツヅラフジ
2 ＋
２）1 アカメガシワ
2 ■
３）1 イタドリ
2 ■
４）1 イヌザンショウ
2 ＋
５）1 オオバコ
2 ＋
６）1 オナモミ
2 ■
７）1 オヤブジラミ
2 ＋
８）1 カタバミ
2 ＋
９）1 キンミズヒキ
2 ■
10）1 クサギ
2 ■
11）1 クサスギカズラ
2 ＋
12）1 コオニユリ
2 ■
13）1 スイカズラ Lonicera
japonica（Caprifoliaceae）
2 ■
3 花，茎葉（金銀花，忍冬）
4 利尿，解毒。忍冬茶，忍冬酒。
14）1 センニンソウ
2 ＋
15）1 ゼンマイ
2 ＋
16）1 ソクズ Sambucus
chinensis（Caprifoliaceae）
2 ■
3 葉
4 浴湯料（リウマチ，腫痛など）
17）1 ツユクサ
2 ＋
18）1 ツワブキ
2 ■
19）1 ナデシコ
2 ＋
20）1 ヌルデ
2 ■
21）1 ノイバラ Rosa polyantha var.
genuina（Rosaceae）
2 ■
3 果実（営実）
4 利尿，瀉下
22）1 ハゼノキ
2 ■
23）1 ハマゴウ Vitex
rotundifolia（Verbenaceae）
2 ■
3 果実（蔓荊子）
4 解熱，強壮，清涼。民間で浴場料。
24）1 ハマボウフウ Glehnia
littoralis（Umbelliferae）
2 ■
3 根（浜防風）
4 発汗，鎮痛，解熱，浴湯料
25）1 ヘクソカズラ
2 ■
26）1 ヨモギ
2 ■
恩山寺〜小松島
１）1 アオツヅラフジ
2 ＋
２）1 アカメガシワ
2 ■
３）1 アケビ
2 ＋
４）1 アゼムシロ Lobelia
radicans（Campanulaceae）
2 ＋
3 生葉，茎葉
4 葉をもんで止血に外用，茎葉をリウマチに煎用。
５）1 イタドリ
2 ■
６）1 イヌザンショウ
2 ■
７）1 イヌホオズキ Solanum nigrum（Solanaceae）
2 ■
3 全草（竜葵）
4 解熱，利尿
８）1 ウマノスズクサ Aristolochia
debilis（Aristolochiaceae）
2 ＋
3 根（青木香，土青木香），果実（馬兜鈴）
4
虫毒，蛇毒の解毒に内用，粉末を切傷に外用。民間では利尿，通経。果実は鎮咳去痰，通経。
９）1 エゴノキ Styrax japonica（Styracaceae）
2 ＋
3 果皮
4 洗たく，魚毒
10）1 オオバコ
2 ■
11）1 オナモミ
2 ■
12）1 カタバミ
2 ■
13）1 カニクサ
2 ＋
14）1 カラスウリ
2 ■
15）1 クサギ
2 ■
16）1 クズ
2 ■
17）1 クチナシ
2 ■
18）1 コオニユリ
2 ■
19）1 コウホネ（カワホネ）Nuphar
japonicum（Nymphaeaceae）
2 ■
3 地下茎（川骨）
4 強壮，止血，健胃
20）1 サネカズラ（ビナンカズラ）Kadsura
japonica（Magnoliaceae）
2 ＋
3 果実（南五味子）
4 滋養，強壮，鎮咳
21）1 サルトリイバラ
2 ■
22）1 ジュズダマ Coix lachryma-jobi（Gramineae）
2 ■
3 果実（川殻），茎葉，根（川殻根）
4 民間で利尿，健胃，茎葉を利尿，根を神経痛，関節リウマチ，駆虫に用いる。
23）1 スベリヒユ Portulaca
oleracea（Portulacaceae）
2 ＋
3 全草（馬歯■）
4 民間で虫毒，蛇毒の解毒に外用，また利尿に用いる。
24）1 セキショウ Acorus gramineus（Araceae）
2 ＋
3 根茎（石菖，石菖蒲）
4 鎮痛，鎮靜，健胃，浴場料
25）1 センニンソウ
2 ＋
26）1 タケニグサ
2 ■
27）1 タラノキ
2 ■
28）1 ツユクサ
2 ■
29）1 ツワブキ
2 ＋
30）1 テイカカズラ
2 ＋
31）1 ナワシログミ Elaeagnus
pungens（Elaeagnaceae）
2 ＋
3 果実（胡たい子）
4 止瀉，葉を鎮咳薬にすることもある。
32）1 ヌルデ
2 ■
33）1 ネズミモチ
2 ＋
34）1 ネムノキ
2 ■
35）1 ノアザミ
2 ■
36）1 ノキシノブ Polypodium
thunbergianum（Polypodiaceae）
2 ■
3 根茎
4 疝気，淋疾
37）1 バクチノキ Prunus zippeliana（Rosaceae）
2 ＋
3 葉（バクチ葉）
4 キョウニン水製造原料
38）1 ヒトツバ
2 ■
39）1 ヒナタイノコズチ
2 ■
40）1 ヒヨドリジョウゴ Solanum
lyratum（Solanaceae）
2 ＋
3 全草
4 民間で解熱，鎮痛
41）1 フキ Petasites japonica（Compositae）
2 ＋
3 花茎（フキノトウ）
4 民間で鎮咳
42）1 ヘクソカズラ
2 ■
43）1 ミツデウラボシ
2 ＋
44）1 ミツバアケビ
2 ＋
45）1 ヤツデ Fatsia japonica（Araliaceae）
2 ＋
3 葉
4 葉のエキスは去痰に，民間では葉を浴場に入れリウマチに用いる。
46）1 ヤブニッケイ
2 ■
47）1 ヤブラン
2 ＋
48）1 ヨメナ Aster yomena（Compositae）
2 ■
3 全草
4 民間で利尿，腫物，悪瘡
49）1 ヨモギ
2 ■ |